桐藤ナギサは鬱屈としていた。 未だ続く友人への嫌がらせ、誰も訪れないロールケーキ展、オープニングライブの景品を盗むおかしな部活、紛れ込むゲヘナのテロリスト……。 せっかくの謝肉祭だというのに、どうしてこうも問題ばかり舞い込んでくるのか。 もうたくさんだった。 カチャリとティーカップを置き、傍にあったマイクを手に取る。 「やれやれ、もう行くのかい」 「っ……どうしてこちらに……!」 「予知夢はもう見れないが、予感がしたんだ。面倒事を抱え込んだキミが……爆発してしまいそうな、そんな予感が」 「…………ひとつ、聞かせてください」 「なんだい」 「…………私たちは、侮られているのでしょうか」 「そうではない……とは言えないね。身内があれだけの問題を引き起こしてしまったんだからね」 「やはり、そうですか……」 マイクを持つ手に力が入る。 「ナギサ……?」 「であるならば改めて、みなさんの目にはしっかりと焼き付けていただかなければなりませんね」 「はあ、まったく……」 呆れる彼女に背を向け、私は会場へと歩き出す。 「──トリニティを統べる、ティーパーティーの実力を」