貴方を探して https://x.com/w2pQVcfW5JYlvGK 役人として世界を巡った後暫くして、俺は仕事を辞めた。それなりにやりがいのある仕事だった。それでも、俺が世界を知った気になるにはまだ早すぎる気がした。といっても、辞めたのはそれだけが理由ではなかった。”俺は誰かを探している”最初はただの違和感だった。それが暫くして俺は誰かに会いたいのだと分かった。どこにいるのかも、顔も名前さえも分からない。けれど俺はその人に会ったことがあって、その人は今もどこかに居る。それだけを確信している。街を歩いてみる。いつかその人と過ごしたその街はすっかり変わってしまっていて、懐かしくもなんともない。それでも、記のような、あるいは風のような、”いない誰か”を象るようにこの街を絵に描いてみる。