数十年前の話ですが、友人のミュージシャンが結婚して、産まれた子供の名前が「キナリ」ちゃん。 お祝いに行くと、奥さんが赤ちゃんを抱き抱えながら歌っているのです。 「キナリ キナリ いい子です いい子はだ~れ キナリです」と。 それがとても良い雰囲気だったので、これを何とか編曲出来ないかと思ったのです。 それで出来たのがこの作品なのですが、当時はこれを歌ってくれる歌手もいませんし、初音ミクもガクッポイドもありませんから、カノン風のこの曲を弦楽の音源で録音してプレゼントしたのです。 友人はこれを気に入って喜んでくれましたが、本来は今回のように歌を重ねていって、言葉がゴチャゴチャになって、一種の不協和音(言葉の不協和音)のようになる限界まで行って、急に静かになる・・・という構想だったのです。 音楽的には、カノン風ではあっても厳密なものではなく、白鍵だけしか使っていませんので、Fリディアンのサウンドになっていると思います。 イメージ的には・・・・赤ちゃんが泣き出したのを母親が子守歌を歌ってあやしている。・それを見て父親も一緒に歌い出す。・赤ちゃんが大人しくなったところに、親戚や友人たちもやって来て歌い合う。・そこに天使が舞い降りて来て、親子を祝福する。・それが8人の大合唱になって、あまりにも五月蠅いので、せっかく眠った赤ちゃんが泣き出してしまう。・親戚や友人たちが立ち去って、天使と親子だけになる。・やがて天使も天に昇り、親子だけの静かな子守歌にもどる。・そして赤ちゃんも泣き止み、最後には笑い声が・・・ まあ、こんな感じです。 「キナリちゃん、キナリちゃん」と愛情ゆえに皆で名前を呼び合うのですが、それが「五月蠅い子守歌」になってしまうというコメディのようなものです。 それでタイトルが「やけに五月蠅い子守歌」An awfully noisy lullaby。 私の音楽的な趣味の一つである「歌いやすい綺麗なメロディと不協和音」が現れた作品ともいえると思います。 歌っているのは、初音ミクとガクッポイド。 今回は赤ちゃんをあやす玩具のガラガラと鈴の音を入れてみました。