どうもぱりぱりさらうどんです 黒歴史ってもしかして私!? ※本イラストは、米倉斉加年氏による角川文庫版『ドグラ・マグラ』の表紙イラストをモチーフとしたパロディ作品です。「暗黒微笑」 off vocal /lyric: https://piapro.jp/t/gzea voice:重音テトSV music/lyric/arrange/movie:ぱりぱりさらうどん https://x.com/8risara 『ドグラ・マグラ』という本があります。 日本三大奇書のひとつとして知られたり、読んだら気が狂うなんて都市伝説めいた噂がつきまとったり。内容の過激さや独自性だけでなく、その本が生んできた語り口や伝説までもが、ひとつの文化として独り歩きしてきた、そんな稀有な作品です。 実際のところ、それがどれほど事実かはさておき、思春期の頃の私は、そんな言葉にまんまと心を掴まれたひとりでした。 名前だけで心がざわつく本。 書店で背表紙を見つけただけで、少し背筋が伸びる本。 学生時代の本棚に、とりあえず並べておきたかった本。 最後まで読み通せなくても、ただ持っているだけで心のどこかに火が灯るような、そんな本。 『ドグラ・マグラ』は、そんなふうに、いまも誰かの心に棲みつき続けている気がします。 ひとつの呪文のように。 あるいは、秘密の合言葉のように。 その名前を知っている、というだけで、知らない誰かと小さな握手を交わしたような気がする。少しだけ大人びたような、特別になれたような、そんな気持ちを思い出します。 あの頃の私は、不器用なままに「特別でありたい」と願っていました。 何かに取り憑かれたみたいに、夜中ひとりでノートに物語を書きつけたり。誰にも知られないまま、頭の中にだけ存在する設定を育てたり。まるで誰かと闘うように、自分だけの「かっこいい」を守り続けたり。 それは今思えば、どこまでも幼稚で、同時に、どこまでも切実な時間でした。 大人になるにつれて、それは笑われるようになって。 恥ずかしくて、黒歴史だと自嘲するようになって。 それでも、いくら取り繕っても、きっと私は、そこからしかものを作れない。 描いては悩んでは消して、手放しても拾っては抱き締めて。 この曲は、そんなふうに中二病を抱えたまま、創作という呪いと祝福のあいだで生きている人たちへの、私なりのラブソングです。 中二病でも、黒歴史でも、妄想でも。 それは、かつてのあなたが一度は本気で愛した、世界そのものです。 もし、誰かに笑われたとしても。 私は、そのままのあなたを、今もとても格好いいと思っています。