大学講師のフランス哲学講座 エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』(2)

大学講師のフランス哲学講座 エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』(2)

今回からエマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』(Emmanuel Levinas, Totalité et infini)の本文に入ります。まずは第1部「同と他」。レヴィナスが「同=自己=私」と、そこに回収されない「他」という、本書の根本のある区別を説明しているところから。「形而上学」という言葉を「絶対的な他を目指す運動」という独自の意味で使っているのもポイントです。著者が独自の使い方をしている言葉は、文中からその用法を読み取るしかありませんので。「他者」の哲学者として知られるレヴィナスですが、独我論を論駁しようとしているわけではなく、むしろ「私」というものの独我論的な構造を強調し、本書の前半をもっぱらその記述に当てていることを確認しました。次回はその詳細を見ていく予定です。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm44981002