かつてカーブの多い伯備線でその能力を遺憾無く発揮したのが、この「スーパーやくも」です。1994年から2006年までの姿です。 1982年に伯備線が電化された際に、自然振り子式電車の「381系」が投入されましたが、1994年に「やくも」の速達便を独立・グレードアップが行われ、この「スーパーやくも」が誕生しました。すでに紀勢本線特急で実績のあった、パノラマグリーン車を採用し、サロ381形を改造したクロ380形を連結。塗色も専用の薄紫を基調とした落ち着いた塗装や車内設備の更新を行い、当時の国鉄車両のイメージを一新するというJR各社の流れに乗った新しい車両が登場しました。 しかし伯備線系統のクロ380形への改造は2両のみとなり、パノラマグリーン車を連結しない編成も運用に就いていた事、さらには後に「スーパーやくも」が増発されたことも相まって、こちらはやや珍しい車両でもありました。 編成は6両編成を基本としていますが、繁忙期には9両まで増結、閑散期には4両にまで減車され、パノラマグリーン車を連結しない編成は、グリーン車無しの3両で運転されることもありましたが、逆に増結時にはサロ381形が加わり、グリーン車が2両で運転されることもありました。 「スーパーやくも」の魅力はなんと言っても同系統の「やくも」用の車両との混結運用。1997年から国鉄色の「やくも」用の車両もアコモデーション改良と塗装変更が行われ、いわゆる「緑やくも」の車両も「スーパーやくも」の運用に就いていたため、2色混じった編成や、繁忙期には日根野電車区からの借り入れ車両が増結され、国鉄色車両も加わった非常にカラフルな編成も見ることが出来ました。 2006年に「スーパーやくも」が廃止されると、しばらくは塗装はそのまま(車体の英語表記はYAKUMOのみへと変更)であったものの、2007年頃から「ゆったりやくも」用の塗装へと変更され、薄紫の塗色は一時消滅しました。しかし2023年のリバイバル企画にて復活。ただし行先や愛称などの表示器類はすべて電光掲示板になっていた為、すべて当時のままというわけではありませんでした。2024年に新車両投入に基づき伯備線での381系運用が終了し、由緒ある自然振り子式車両は姿を消しました。 BGM「コーヒー・ブレイク」