カントの時間論後編です。この後編ではいよいよ『純粋理性批判』の「超越論的弁証論」の「アンチノミー」を扱います。「世界は時間的に始まりがある」「始まりがない」という二つの命題の両方を証明してしまう理性とは? なぜそうなるのか? そしてカントの解決とは?カントの哲学は過去のもの? とんでもない、ビッグバン宇宙論のような現代科学の発展を経た今だからこそ、世界の始まりのようなテーマについて「言えること」と「言えないこと」の境がどこにあるのか、カントの分析の有効性がわかる……と、そういう観点も強調させていただきました。なお、動画中で読んでいるカントの原文はすべてアカデミー版カント全集。文字がフラクトゥーア(いわゆる「ひげ文字」)なので多少のドイツ語知識があっても慣れないと難しいかもしれませんが、現在私の手元にあるのがこれだけですので。【参考文献】Kants Werke. Akademie Textausgabe, Berlin/New York: Walter de Gruyter, Band III (Kritik der reinen Vernunft 2. Auflage 1787).森田邦久(編)『〈現在〉という謎』、勁草書房、2019年.