【初音ミクオリジナル曲】デジタルラブ

【初音ミクオリジナル曲】デジタルラブ

今回はオンラインゲーム恋愛がテーマとなっています。画面の向こうで始まった恋、距離は0ms。スクリーンの中で出会った二人が、レイドやメンテも越えて“ログインボーナスは君”に気づく物語です。 music:yuki@tcgillust:きんのたま▼ミクさんに歌ってもらったやつ mylist/77421239 ————————————————————————————————【スクリーンショットに写らないもの】 ――初めてあなたを見かけたのは、夜の街区の噴水前だった。 雨の代わりに光の粒が降っていて、アバターの髪にきらきら刺さっていた。チャット欄では誰かがトレードを叫び、誰かがスクショを撮り、誰かが“おやすみ”と手を振っている。私は視界の端に流れる文字を追いながら、あなたの名前だけを覚えた。短くて、どこか涼しい音の並び。「はじめまして。パーティ、空いてますか?」そう打ち込むと、返ってきたのは一拍置いた“いいよ”だった。 その一拍の沈黙に、私のカーソルが少しだけ震えた。回線越しの空気が、体温みたいに伝わってきたから。私たちは毎晩、同じサーバーに現れた。 街の南門を出て、薄紫のフィールドを横切り、月の形をしたダンジョンへ。乱暴なモンスターに囲まれても、あなたがくれる回復の合図が、いつだって私のミスを笑いに変えた。 「大丈夫」 「次、行ける」 短い言葉が、画面の端で灯る。私はそれを拾って、心臓の脈と同じテンポでキーボードを叩いた。ステータス欄の数字が減っても、あなたの支援が重なると、不思議と夜が軽くなった。 どれだけ現実で言い淀む日でも、ここでは呼吸がしやすい。あなたの声が、チャットの向こうで笑うたび、距離の単位が“メートル”じゃなく“ミリ秒”に変わっていく。「いつか画面の向こうで会えたらね」 そう言ったら、あなたは「うん」とだけ打って、私のアバターの肩に、小さくジャンプで触れた。 その仕草が、やけにやさしくて、私は急に視界の明るさを下げた。ある夜、レイドの約束をしていたのに、ログインすると告知が出た。 “メンテナンス延長”。 街は灯りを落とされ、サーバー一覧が灰色になっていく。チャットも閉じるしかなくて、私はイヤホンを外し、デスクの上に置いた。静かな部屋に、タイプ音の残響だけが漂っていた。 いつもならあなたの「準備OK?」が右下に光る時間。 画面が暗い。心のどこかも、同じ色で暗くなる。続きの話はyoutubeで→ https://www.youtube.com/watch?v=KlSDggD7-AI

http://www.nicovideo.jp/watch/sm45282007