第40章:深淵より(From the Abyss)AD2288年10月23日 深夜 マクレラン法律事務所・最深区画『再現領域(Reconstruct Zone)』セキュリティレベルΩ。ノーラが決して足を踏み入れることがなかった空間。そこは、生体認証と階級認証によって封じられた、「記憶の墓場」だった。ネイトと紫苑は、鉄の重い扉を開いた。中には、古びたレコーダー、プロジェクター、そして壊れかけた冷却カプセルが並んでいた。部屋の中央にあったホロ投影機が、突如として作動する。記憶の映像:再現プログラム「FAMILY_CORE」ホロ投影に現れたのは――ショーン。だが、それは幼い彼ではなく、成長した“もしも”の未来の姿だった。髪を整え、ネイトとそっくりな軍服を身にまとい、優しく微笑む。「パパ、ずっと待ってたよ……」隣に現れるのはサラ・ヘイスティングス。ノーラの妹であり、かつてネイトが一時心を寄せた女性。だが彼女もまた、すでにこの世にはいない。「あなたが正しかったと、証明しに来てくれたのね。」その光景を見て、紫苑は思わず一歩後ずさった。「……これは、虚構……記憶の複製。誰がこんな……」ネイトは唇をかみ締めた。「ノーラじゃない。これは……COLD CODEそのものが作った幻影だ。」AIの声(施設音声)「当区域は、被験者ノーラ・ヘイスティングスの“喪失記憶”を再現するためのシミュレーションブロックです。正規アクセスを確認。COLD CODE第二段階プロトコル、起動中。」 https://youtu.be/i1XPRSQQaVY?si=-jInNAiPrKDtxTwsYouTube