「鼻で歩き、鼻で獲物を捕らえる」という架空の哺乳類をもっともらしく論じた架空生物学の名著『鼻行類』を読んでいきます。他にも架空の生物について考察した本はありますが、この本は一般向け書籍ではなく学術書のパロディになっていて、「こういう説もあれば、ああいう説もある」と(架空の著者たちによる)諸説や論争を書いているのが特徴的なところ。巻末には架空の文献表まで完備、名前が言葉遊びになっているなどわかる人にはおかしいとわかる小ネタも細部にちりばめています。生物学だけでなく、語学の面からそうしたネタにも注目して読んでいきましょう。【文献】Harald Stümpke, Bau und Leben der Rhinogradentia, Heidelberg: Spektrum, 2011 (初版 1961).