この唄は、佐藤清子氏の著述「日本旋律の指導記録」に収録された本荘(秋田県由利本荘市)の民謡(原文では「たなばたのときの歌」として紹介)をもとにしていますが、五色短冊の節は北海道(函館・小樽・札幌)の唄から採用しており本来の歌詞ではありません。なお7月から8月にかけての特定の時期に、子どもたちが各戸を訪ね歩いてローソクをもらう風習、あるいはローソクを求める言葉を唱えたり唄を歌ったりする風習は、北海道と北東北3県のほか新潟県や富山県にも見られます。(以下は原曲の歌詞)「ねんぶりながーしたながーしたよ さあながーしたながーしたよことしほうねんたなばたまつり おおえやえややろうそぐ出せ出せや ださねばぶっちゃぐど その手でかっちゃぐどねんぶりながーしたながーしたよ さあながーしたながーしたよたなばたさん たなばたさん このよのあかりでござれござれ」(松本民之助『音楽創作の指導 創作する子らのために』音楽教育図書1964年、173頁)「ネンブリ流した流したよ さあ流した流したよ今年豊年七夕祭り ほうえやえややローソク出せよ 出さねばブッチャグド その手でカッチャグドネンブリ流した流したよ さあ流した流したよ七夕さん 七夕さん この世の明りでござれござれ」(堀田正治『秋田のねぶり流し 竿灯の歴史』太陽印刷1967年、14~15頁)[引用者注:こちらも同一人物(佐藤清子氏)による歌詞のはずだが若干の相違がある]地域や時代の違いによるものか歌詞や旋律にも異同があるようです。軽微な差異については一種の個人差である可能性もあります。「ねんぶり流した流したよ さあ流した流したよ今年豊年七夕まつり オオエヤエヤヤろうそく出せ出せや 出さねばぶっちゃぐど おまけにかっちゃぐどねんぶり流した流したよ さあ流した流したよ」(『日本わらべ歌全集3 秋田・山形のわらべ歌』柳原出版1981年、126頁)[引用者注:この唄では「たなばたさん」の節は存在しない]「七夕さん 七夕さん この世の明かりにゴザーレゴザーレ今年豊年七夕祭 オーイヤイヤヤローソク出せ出せや 出さねばブッチャグゾ オマケニカッチャグゾネンブリ流したや流したや さー流した流したや」(『本荘市史 文化・民俗編』本荘市2000年、650頁)[引用者注:こちらの唄では「七夕さん」の節が先頭で「ネンブリ流し」の節が最後になっている]なお七夕は7月7日ですが、七夕祭の開始を前日の6日とする例も各地で見られます(令和七乙巳年旧七月六日=2025年8月28日公開)