フランスの小説家クノーの作品に、「文体練習」という短編集があります。文体練習は同じストーリーを99の文体で描写する、言葉遊びの極致と言えるような作品ですが、今回はその文体練習から「Lipogramme」(意味は日本語で「リポグラム」、朝比奈弘治による和訳版では「69・リポグラム」) を引用し、曲を付けてみました。リポグラムとは特定の文字、特にフランス語では通常Eを用いずに文章を書く技法のことで、これはフランス語ではかなり困難な作業です。この文体も基本的にはEを用いずに書かれていますが、どういう訳か著者クノーは1度だけEを登場させています。今回はそれに倣い、該当の例外箇所以外でE音を使わずに和声を組み立てて三重唱としました。いかにもE音が出てきそうなa-mollを主調に設定していますが、この制限下では響きが単調になるため頻繁に転調しています。和声禁則の判定は Émile Durand 著 « Traité Complet d'Harmonie Théorique et Pratique » に基づいています。作詞: Raymond Queneau (1903-1976)作曲: CyVocal: Synthesizer V2 - Eleanor Forte AI, Feng Yi 2 & Lang chuan99は到底無理ですが、文体練習に曲を付ける試みはシリーズとして複数投稿中です。文体練習について詳しくはこちら → sm38156618 Tanka (短歌) → sm44177667 Insistance (執拗) → sm44177819 Télégraphique (無線電信) → sm44871855 Éclipse (覚書&平行移動) → sm44872377 Définitionnel (定義) → sm45822835