— フォーレ《シシリエンヌ, 作品78》フォーレの《シシリエンヌ》が湛えるのは、激しい感情ではなく、触れた瞬間にすでに過去になっているような、淡い郷愁です。この旋律に、日本語歌詞を書き下ろし、「風の丘」という架空の風景を重ねました。夕焼け、星、宵闇、夜明け。二人が確かに手を取り合って歩いた時間と、やがて訪れる別れの朝。言葉は物語を説明するためではなく、旋律が描く軌跡を、そっと言葉に置き換えるためにあります。双葉湊音の声は、この楽曲にとって理想的な距離感を持っています。近すぎず、遠すぎず、まるで風の中から聞こえてくるような存在感。この歌は、失われた誰かを悼むためのものではなく、確かにそこにあった時間を、静かに肯定するための歌です。この曲を元にした長編GL小説も書いています。ご興味があれば、ご覧ください。『風の丘』 ―シシリエンヌ―▶ https://kakuyomu.jp/works/822139842880928673Gabriel Urbain FauréSicilienne, Op.78Vocal: 双葉湊音Japanese Lyrics, Arrangement & DTM Programming: © 2025 Felis Silvestris Catus夕焼け 空に星 風に揺れてる君呼ぶ 心から 答えない空その手は遠く古の影さえ 胸を揺らして夜の静寂 光射す二人の刻 今だけああ 夢の彼方ふと 君の手 触れたらそっと 微笑む声 今………宵闇 空に星 夢に浮かべて君を呼ぶ 心は 届かない声あぁ 光が降り注ぐその丘で二人手を取り歩いた日々よ今でも温もり 心に息づく 永久に今は 過ぎゆく夜果て 君の名 呼んだらそっと 響くだけで 今………夜明けに 空に星 祈り込めてる君呼ぶ 心へと 優しさが舞う別れの朝 夢が解けて微笑む中 眠るの── 次回:封印してた音をひらく。