ワクワク珈琲でのライブ打ち合わせを終えた深夜。タツヤとレイは意気投合し、気づけば午前1時を過ぎるまで語り合っていた。そのまま二人は店の2階フリールームで一夜を過ごすことになる。眠りについたレイは、夜中に足元の違和感で目を覚ます。そこには、タツヤの飼い猫が丸くなって眠っていた。ふと廊下に出たレイは、奥の部屋から漏れる微かな明かりに気づき、静かにその方向へ歩き出す。その頃タツヤは、「まゆ」と呼ぶ白い毛布に身を包み、自分自身と向き合う“儀式”を行っていた。それは、過去に受けた心の傷、そしてアッキーとの出来事を昇華させるための内観だった。タツヤは、この「まゆ」の中で生まれ変わろうとしていたのだ。変容の瞬間。白い布をまとったまま立ち上がるタツヤの姿を、ドアの隙間からレイは目撃する。無防備なその姿に、レイは無意識のうちに自らも素肌をさらし、同じ目線、同じ温度でタツヤの前に立つ。言葉は多くなかった。レイは黙ってタツヤを包み込み、「お前がいるだけで、俺には戻れる場所がある」と伝える。タツヤは、求められることへの恐怖を打ち明け、レイはそれを否定せず、変わらなくていいと告げる。二人は肉体的な関係を求めない。けれど確かに、心と心で深く結ばれている。同じ男性だからこそ理解できる痛みを抱え、同じ価値観と生き方を選び取った者同士として、静かに愛を確かめ合う。その夜は新月だった。見えない月をバルコニーから見上げながら、二人は「一緒に生きていく」ことを誓い合う。見えなくても、確かにそこに在るものを信じて。翌朝、ワクワク珈琲の休日。フッキーから届いたメッセージを二人で読み、好意的に見守られていることを感じ取った二人は、言葉を交わさず、ただ静かに微笑み合う。人とは違う生き方かもしれない。人とは違う愛の形かもしれない。けれど、それが二人にとって最も自然で、満たされる関係性だった。次回、第8話/中盤『ハリケーンが去った夜』ZORK解散ライブ、そしてSOULD結成へ。物語は新たな局面へと進んでいく。