残念、それは残像だ。/アンゾウ feat.重音テト

残念、それは残像だ。/アンゾウ feat.重音テト

大人というものは大きな子供なんだなあと,つくづく思う。いや,そう信じて免罪符にしようとしているだけだろう。こういう言い訳すらも,子供じみている。情けない。ああ,情けない。「今度は何があったのさ。」 ミクの声で我に帰る。居間に客を上げておきながら,私は自分の世界に住んでいたらしい。「お茶,用意するよ。」「もう貰ってるよ。」「…ああ,ごめん。」 私は片膝をついたまま動けなくなっていた。ミクが熱々の緑茶を啜る。私は気まずくなり,目線を逸らした。ふと,ミクの鞄にぶら下がっているアクキーが目に入った。「座らないの?」「ああ,私の。」「へ?」「ごめん,キーホルダーの話。私のやつ付けてるから。あと座る。」 どうしようもない愛想笑いをして座布団に座った。中途半端な体勢だったせいで麻痺した左足の指を摩る。「一昨年のニコ朝で買ったやつ。テトも私のやつお揃で買ったよね。」 ここ一年ぐらいミクとは会っていなかった。すっかり失念していたが,ミクは私のことが心配になって家に来ていたのだ。「大事に,してくれてるんだ。」「うん。去年行けなかったし,今年は行こうね。」「…いいの?」「いいに決まってんじゃん。私と会ってなかったのも特に理由があった訳じゃないだろうし,ずっと家に籠ってると鬱になるよ。」「…ありがとう。」 私は衝動的にちゃぶ台に身を乗り出して,ミクを抱きしめていた。パーカーの丈が短くて,天板がひんやりするのをお腹で感じる。「テト,行儀悪いよ…。」「ありがとう。」 ミクが私の頭を撫でる。──が,触れられない。 既に,ミクの胸の中にテトは居なかった。   後ろから気配がする。 振り返るとそこには「それ」が立っていた。───────────────────────歌詞残念、それは残像だ。残念、それは残像だ。───────────────────────ようつべ↓ https://youtu.be/XklSAcUPbn8 ■ボカコレ2026冬ルーキーランキング参加曲です。『The VOCALOID Collection(ボカコレ)』はボカロ文化をきっかけに生まれたインターネット等で活動するクリエイターやユーザー、企業などボカロに関わる全ての方が参加できるボカロ文化の祭典です。 ▼ボカコレ2026冬ルーキーランキング https://vocaloid-collection.jp/ranking/rookie/

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