世界帝国(イエズス会)VS戦国三英傑 ――日本を植民地化から守り抜いた「第一次東亜百年戦争」―― 【まえがき】林房雄氏の名著『大東亜戦争肯定論』において提唱された「東亜百年戦争」という言葉があります。 幕末の黒船来航から大東亜戦争の終結に至るまでの約百年間。それは、怒涛のように押し寄せる欧米列強の帝国主義(白人支配)という巨大な波に対し、アジアで唯一、日本が独立を守るために血を流し続けた壮絶なる戦いの歴史を指す言葉です。しかし、我々は歴史のもう一つの「巨大な真実」を見落としています。ペリー来航のさらに三百年前。 この極東の島国は、すでに「最初の西洋の脅威」に直面し、国家存亡を賭けた凄絶な百年戦争を戦い抜き、そして薄氷の勝利を収めていたのだという事実を。天文十二年(一五四三年)の種子島への鉄砲伝来に始まり、寛永十四年(一六三七年)の島原の乱鎮圧、そして「鎖国」の完成に至るまでの約百年間。 本書では、この戦国から江戸初期にかけての血塗られた時代を「第一次東亜百年戦争」と位置づけます。彼ら(イエズス会の宣教師や南蛮商人)が持ち込んだのは、最先端の武器と新しい神の教えだけではありませんでした。その背後にあったのは、地球を真っ二つに分割し、新大陸の巨大な帝国(インカやアステカ)を次々と内部から崩壊させ、民を奴隷として売り飛ばしていったスペイン・ポルトガル両帝国の、冷酷な「植民地化計画」でした。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。 我々がよく知る「戦国三英傑」、そして明智光秀。彼らは、単なる領土欲に駆られた国内の覇権争いに明け暮れていたわけではありません。彼らはいち早く、この「見えざる侵略(宗教と火薬による国家転覆)」の真意に気づいていました。 ある者は自ら地獄へ落ちて魔王となり、ある者はその底なしの欲望で外敵を飲み込もうとし、またある者は名もなき影武者として、あるいは闇に潜本書は、歴史の表舞台から巧妙に消し去られた、この「第一次東亜百年戦争」の裏面史を紐解く物語です。信長はなぜ、本能寺で木っ端微塵に爆殺されねばならなかったのか。 秀吉はなぜ無謀な朝鮮出兵を行い、狂乱の中で毒に倒れたのか。 そして徳川家康と南光坊天海は、いかにして身内すらも切り刻む大手術を行い、二百六十年に及ぶ絶対防壁「鎖国」を完成させたのか。これは、美しき武将たちのヒロイズムではありません。 国を守るために、同胞を皆殺しにし、友を毒殺し、自らの魂をもすり潰さねばならなかった男たちの、血と泥にまみれたサスペンスです。さあ、教科書が語らない「もう一つの百年の死闘」へ、時計の針を巻き戻しましょう。―― 【アラ還・読書中毒】(Geminiとの共作)