ニューヨークでメトロに乗った時、このガランとした車内で、毛糸の帽子と大きなマスクをした変な若者にサバイバ・ルナイフを突きつけられて、危害を加えないから一緒に来て欲しいと言われたの。裕子は吃驚したけど、かつて痴漢退治をしたとき、こんなシチュエーションには慣れていたから、即座に安全を確保し、「ナイフをしまいなさい! 人にお願いするときはそれなりのマナーがあるでしょう!!」って言っちゃった。するとへんは若者は結構素直で、「ごめんなさい。是非一緒に来て欲しいのです。」って縋りつくように言ったわ。裕子は何となくカルト教団の信者のような胡散臭さを感じたけど、もしかつての日本のオーム教のようなテロ組織だったらすぐに何とかしないといけないし、裕子の身に危険が迫ったら例の瞬間テレポーションで逃げればいいし、と考えて、取り敢えずその若者についていくことにしたわ。