「さあ裕子もそろそろ受験勉強に全力を注がないけないから、そろそろこのツアーもお仕舞にしようか。」 「旅の最後は戦艦大和がいいわ。大和は特攻作戦で沈んだんでしょう。なんだかとっても悲しい話がありそうね。」 「そうだな、3000人の乗組員分だけの悲しい話があるわけだな。じゃあ呉に寄り道して帰るか。呉はSLの旅で懐かしいところだね。」 「裕子がC62やC59の大型機関車と出会ったところね。」 「大和はこの呉の海軍工廠で誕生した。勿論、本物は昭和20年の5月に東シナ海の坊の岬沖で米軍の艦載機群に沈められて、今は無いんだけれど、ここには10分の1の模型が展示されてるんだ。模型と言えども25メートルも全長があるんだぜ。」 「男たちの大和って言う映画に出てきた大和ね。10分の1でもちょっとしたフェリーより大きいんだから、本物は相当迫力があったでしょうね。」 「アメリカやイギリスの軍艦と違って、造形的にも美しいね。」 「こんな壮大な作品を簡単に沈めちゃうんだから、戦争ってもったいないことしてるのね。」 「模型でも25メートルもあるから、カメラに入りきらないわ。2枚の写真を合成したらこんな具合になった。」 「裕子にしては良くできてるよ。艦首がちょん切れてるのはちょっと残念だけどね。一番大きな大砲は口径が46cmもあるんだ。勿論世界最大で、タイ記録も無い。しかしこれに八つ裂きにされた軍艦は遂に1つも無かった。ネルソンやロドネーの42cm砲で息の根を止められたビスマルクや、そのビスマルクの38cm砲1発で轟沈させられたフッドなどは歴史に記録されたけれど、またアメリカのノースカロライナ級やサウスダコタ級やアイオワ級の42cm砲は比叡や霧島や扶桑や山城の息の根を止めるのに役立ったけど、大艦巨砲主義の頂点である大和と武蔵は結局役立たずで沈められてしまったわけだ。」