今回はゲーム会社「クリスタルソフト」の全歴史を解説します。大阪でロック音楽スタジオを経営していた森田祥之社長が、1980年にPC-8001と出会い、脱サラした鴻野氏と共に立ち上げた小さなソフトハウス。それがクリスタルソフトです。「社長以下、音楽畑の人間が集まった」という独特の社風から生まれたのは、ストーリー性を重視した数々のRPGでした。看板作品は富一成が1984年に発売した「夢幻の心臓」。「経験値」という言葉を日本で最初期に使ったとされる作品で、後にさくまあきらが桃太郎伝説のデザインで参考にしたと公言し、ドラゴンクエストも同様のシステムを採用したと言われています。日本RPGの源流のひとつとも言える作品です。他にも、3D表現とアニメーション戦闘で高く評価された「リザード」、ウィザードリィとウルティマを融合したような「ファンタジアン」、真っ赤な世界観の「クリムゾン」シリーズなど、80年代のPCゲーム黎明期を彩る名作を次々と生み出しました。しかし1990年10月、経営難のクリスタルソフトはT&Eソフトに救済合併され、名前は消えてしまいます。合併時に開発中だったソード・ワールドPCは、その後T&Eソフト大阪開発部として完成させました。そしてこの会社を離れた人々こそが、実は日本のゲーム史に大きな足跡を残していきます。夢幻の心臓を作った富一成は日本ファルコムでソーサリアン・ダイナソアを手がけ、独立してスタジオアレックスでLUNARシリーズを制作。訴訟敗訴で倒産した後もガイナックスで制作を続けています。音楽担当だった藤岡千尋と笹井隆司は同じく1990年にスクウェアへ移籍し、藤岡は後にスーパーマリオRPGのディレクターを務め、アルファドリームを立ち上げてマリオ&ルイージRPGへ。笹井はルドラの秘宝や武士道ブレード2を担当しました。大阪の音楽スタジオから始まった小さな会社の魂は、今も日本のゲームの中で生き続けています。※本動画は各ゲームの著作権を尊重し、レビューおよび解説の範囲内で映像を利用しています。※公開されている一次資料を元に、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めています。【キャラクターボイス】琴葉茜(A.I.VOICE)琴葉葵(A.I.VOICE)ずんだもん(VOICEVOX)つくよみちゃん(COEIROINK)