フランスの精神分析家ジャック・ラカンは、エドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」について註釈していました。彼は著作集『エクリ』の最初にこのセミネールを載せるなど、彼の「無意識の主体は言語の中にある」という理論を論じるに当たってかなり重要視していたのが窺えます。ポーの当該作品を英語原文で読んだこともあり、ラカンの註釈を扱うことにしました。今回いよいよ『エクリ』の最初に収録された「盗まれた手紙についてのセミネール」を扱いましたが、まあそのフランス語といい、どこに向かっているのかわからない展開といい、難しいこと。拾い読みの形ですが、まだ半ばに辿り着いていないくらいです。それでもラカンがこの小説の読解を通して「シニフィアン(意味するもの=記号)」のどんな性格を読み込もうとしているのか、ある程度は示せたかと思います。【文献書誌情報】Jaques Lacan, Écrits I, Seuil, 1990 (初版 1966).【ポー「盗まれた手紙」講読動画】 https://www.nicovideo.jp/watch/sm46527900?ref=garage_share_other