フィルターに 口づけて 火種がこちらに 迫ってくる まるでそれは 導火線 破裂する前に もみ消したこの時間なら 扇風機だけで 電気は点けない 眩しいから モニターの明かりで 見たいものだけ 静かな外も イヤホンで塞ぐ物語の音がする 暗がりで詩を待っている 隅で途方に暮れている 私は貴方を知らないから 貴方は私を知らないから なにも届きはしない いずれ届くこともないさっき消したのに また新しく 火種がわざと けむに巻く まるでそれは 恋人で 消えてなくなり 覚えてないこんな時間に 文字列だけで 見切りはつけない さもしいから 窓の明かりが 見たくないものも 鮮やかな外も ぎらつかせる電気が通る音がする 明け方に詩を世に出した 見られることは無かった 私は貴方を知らないから 貴方は私を知らないから 誰も私たちを知りはしないから なにも届きはしない いずれ届くこともない咎められることもない