箱根登山鉄道、25年ぶりの新車両「アレグラ」号試乗=快適な乗り心地の景観列車

箱根登山鉄道、25年ぶりの新車両「アレグラ」号試乗=快適な乗り心地の景観列車

 箱根登山鉄道は8日、25年ぶりに導入した新型車両「3000形(愛称アレグラ号)」の試乗会を箱根湯本、強羅間(神奈川県箱根町)で開催した。車両は、箱根の景観を堪能できるように窓のサイズを大型化。坂道での加減速が制御され、快適な乗り心地を実現している。営業運転の開始は11月1日。運行本数の約3分の1がアレグラ号になるという。 アレグラとは、スイス・グラウビュンデン州で話されるレート・ロマンシュ語のあいさつ。同鉄道と姉妹提携するレーティッシュ鉄道がロマンシュ語圏を走行しているということから、愛称として採用した。 車両のデザインを担当したのは、小田急ロマンスカー「60000形」MSEや仏パリのポンピドゥーセンターなどを手掛けた世界的な建築家、岡部憲明氏。「伝統と現代性をあわせ持ち、箱根の風景に溶け込むデザイン」をコンセプトに車両を造り上げた。 外観は、箱根の四季にマッチする赤系のオリジナル色「バーミリオンはこね」をメーンカラーに、登山電車としての力強さを表現するシルバーを前面と側面に配色。既存の「2000形」車両と連結した場合にも違和感のない仕上がりだ。 長さ約11メートルある客室は、2つのエリアで構成。1つは、車両の前後に位置する展望ゾーンで、左右に設けられた高さ187.5センチの展望窓や運転席側の大型窓から景色が望める。もう1つのエリア、車両中央のクロスシートゾーンには、ボックス席が設けられ、高さ120センチの車窓を通し、山や川の様子が楽しめる。眺望を妨げることがないよう、つり革は中央寄りに配置され、荷棚は設けられていない。 乗車定員は75人(座席36人、立席39人)。箱根湯本と強羅間を最高時速40キロで走行し、約40分で結ぶ。従来の車両では、坂道を走行する際、アクセルとブレーキの操作が繰り返され、速度を安定させることができなかったが、アレグラ号では加減速を制御。一定速度での走行が可能となり、快適な乗り心地が実現されている。環境対策も講じられ、回生ブレーキを搭載。発電した電気はアレグラ号だけでなく、他列車の運行にも利用されるという。

http://www.nicovideo.jp/watch/so24649986