<ニュース・コメンタリー>貧しい国が幸せで豊かな国が不幸な理由

<ニュース・コメンタリー>貧しい国が幸せで豊かな国が不幸な理由

 国際的なリサーチ会社が毎年年末に発表している「世界幸福度調査」の2015年版が2015年12月31日発表された。それによると幸福度が高かった国の上位10ヵ国はいずれも発展途上国で、日本を含む先進国の幸福度はいずれも世界の下位に位置することがわかった。 WIN/Gallup International社による国際世論調査(Annual Global End of Year Survey)は同社が1977年以来毎年年末に発表しているもの。今年は2015年9月から12月の間に68か国の6万6000人を対象に調査が行われ、その結果が2015年12月31日に発表された。 幸福度(Hapiness Index)は各国の1000人~1500人を対象に「今の自分の人生を幸福と思うか」をアンケート調査したもので、幸福度指数は、「とても幸福」もしくは「幸福」と答えた人の割合から「不幸」もしくは「とても不幸」と答えた人の割合を差し引いた数値を指す。 最も幸福度が高かった国はコロンビアで、フィジー、サウジアラビア、アゼルバイジャン、ベトナムなどが続いた。上位15ヵ国は10位のアイスランド/中国を除くといずれも発展途上国で、先進国ではデンマークの同率15位が最高だった。 その一方で、28位の日本、42位のアメリカを含む先進国ではいずれも幸福度が世界平均以下で、中でもイタリアとフランスは68か国中のワースト10の同率57位だった。 また、最も幸福度が低かった国は、悪い順にイラク、チュニジア、ギリシャ、アフガニスタンなど、紛争国や経済危機に瀕している国が並んだ。 幸福度が高い国はいずれも発展途上にあり経済的には貧しいが、将来に対して明るい希望を持つ人が多く、貧富の差が比較的小さい特徴がある。それに対して幸福度が低い先進国は経済的には遥かに豊かだが、将来を悲観する人が多く、貧富の差も大きいこともわかった。 幸福度調査の結果から見えてくる幸福の条件と、物質的に豊かなはずの先進国に住むわれわれが幸福を実感できない理由について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

http://www.nicovideo.jp/watch/so27973065