9月最初の日曜日。北九州市は、モノレールやバスなどの公共交通機関の運賃を無料にしました。財政状況が厳しい自治体があえて「無料」にふみきったのはなぜでしょうか。◆無料の対象は5つの公共交通機関9月3日(日)に北九州市が実施した「公共交通市内1日無料デー」 市内を運行する西鉄バスと市営バス、北九州モノレール、筑豊電鉄のほか、北九州市の門司港と山口県下関市を約5分で運航する関門汽船、あわせて5つの公共交通機関が1日乗り放題となりました。北九州市では初めての取り組みです。◆普段は乗らない人もたくさん並んだRKB岩本大志記者「北九州モノレールです。きょうは運賃が無料ということもあって、多くの人が列を作っています」この日は小倉競馬場でレースが開催されていたこともあり、小倉駅のモノレール乗り場は、朝から混雑していました。並んでいた親子連れは子供「モノレールに乗って、連結バスに乗って、いっぱい乗り物に乗りたいです」母親「これまでなかなか乗る機会がありませんでした。無料なのでこの機会に乗ってみようと思いました」ガソリン価格の高騰もあり、普段は車を使って移動するという利用者からも歓迎の声が。利用客「バスも無料でモノレールも無料で。毎週してほしいですね」◆無料になる運賃の総額は約8500万円この取り組みは、新型コロナや物価高の影響を受けて外出を控えるようになった市民や観光客への支援策として、北九州市が初めて企画したもの。9月から11月まで毎月1日ずつあわせて3日間を「無料デー」にします。北九州市によると、無料となる運賃の総額は約8500万円を見込んでいて、これはすべて市が負担します。8500万円は、国の「電力ガス食料品等価格高騰重点支援地方交付金」を活用することにしました。物価高騰の影響を受けた業種に対して支援するもので、公共交通も対象になります。◆財政厳しい北九州市 なぜ無料に?とはいえ、市のお財布は決して豊かではない北九州市。いったいなぜ、「無料」にしたのでしょうか。実はこのコロナ禍で市内の公共交通機関は、利用者が大幅に減り、赤字額が膨らみました。北九州モノレールは、コロナ禍前の2018年度、1日の平均乗降客数は3万4202人でした。一方、コロナ禍の2020年度は2万4389人にとどまり、乗降客数は約3割減少しています。また、市営バスは、特に厳しい経営状況が続いています。市によりますと、昨年度はバス路線のうち84%の系統が赤字です。◆逆転の発想で赤字路線を無料にした赤字なのにあえて無料の取り組みを実施したのは、「無料デーを機に利用を促したい」からだといいます。北九州市都市交通政策課 平野研課長「新型コロナの流行以降赤字路線が増えているので、使っていただくことが路線が残るために最も重要なことです。まずは使って頂いてその便利さを実感してほしい」北九州市の武内和久市長も、無料にする切実なねらいを語りました。北九州市武内和久市長「公共交通を生活のライフラインとして大切にされている市民がいます。不採算だから市場原理に任せて『なくなってなくなってしまっていい』と単純に考えられるものではありません」◆無料日の利用者は1・8倍に北九州市によると、無料デーを実施した4日、市営バスの利用客数は約9000人で、通常時の約1・8倍になりました。北九州市内の公共交通機関が無料になる取り組み、10月8日と11月5日にも実施される予定です。オリジナル記事を読む https://rkb.jp/contents/202309/202309047735/