今週のフカボリは、再び大きな動きがあったセブン&アイに関する話題。かれこれ第三弾になる。現在、セブン&アイはカナダのクシュタール社からTOB(株式公開買付)の提案を受けている。その後、その提案金額が一度目より引き上げられた。そして、ここからが新展開。クシュタールの動きに対抗し、セブン&アイの現経営陣はさまざまな策を検討している。その中でも注目を集めたのが、MBO(マネジメント・バイアウト)だ。MBOとは、経営陣が自ら資金を集めて会社を買い取り、非公開化する手法のこと。その後、将来的に会社価値を高め、再び上場を目指すのが一般的な流れになる。ただし、MBOのハードルは思っている以上に高い。特に、セブン&アイの時価総額は約7兆円にものぼる。現経営陣は莫大な費用を工面する必要があるからだ。はっきり言って、この規模でのMBOは極めて難易度が高い。TOBへの対抗策としてMBOを検討するのは決して珍しいことではない。そもそも既存株主に対し、買収提案額以上の将来的価値を示すことができるのは、現経営陣だけだ。現経営陣は、企業の実情を熟知している。経営しているのだから当たり前だ。そして、成長可能性を中期経営計画などでもすでに示している。そして、現経営陣は、その計画に基づき、TOB提案額が適正か否かを判断する。提案額が適正と判断されなければ、経営陣はより高い価格での買収を提案し、その資金をスポンサーから調達する。一度、非公開化した後、成長させて再上場することで、スポンサーに利益を還元する。これがMBOの基本的な仕組みとなる。ここまでの流れは、特別珍しいことではない。当初のTOBの段階で、予想できた動きだ。しかし、今回特に注目したいのは、セブン&アイの経営陣がスポンサー候補として伊藤忠商事を挙げた点だ。(続く)