「薬は飲み終えれば体から消える。」それは薬そのものについては正しいかもしれません。しかし近年の研究では、薬が体から排泄された後も、腸内細菌叢には長期間にわたる変化が残る場合があることが分かってきました。特に抗生物質はその代表例ですが、プロトンポンプ阻害薬(PPI)や一部の抗うつ薬などについても、腸内細菌叢との関連が数多く報告されています。腸内細菌叢は、消化だけでなく、免疫機能や代謝、さらには脳腸相関を介したメンタルヘルスとも深く関わることが分かってきています。だからこそ、「薬歴」は単なる服薬歴ではなく、「腸歴」として考える視点も必要なのかもしれません。