マイリスト 水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選
bobotcha さんの公開マイリスト ハッタリばかりの質の悪い映画音楽のような吹奏楽オリジナルや、原曲のイメージをぶち壊さんばかりのオケ編曲ものが蔓延している昨今の日本の吹奏楽界ですが、この現状にアンチテーゼを唱えるべく、ここでは吹奏楽の可能性を広げる作品や吹奏楽の持つ表現を最大限に活かした傑作をアップしていきます。コンクール漬けになっている水槽厨こそ、質の高い吹奏楽作品を聴いて視野を広げてほしいと考えています。※音質はCDのものより落ちているはずです。ぜひご自身でCD等を購入し、良い音質で聴いてみてください。
https://www.nicovideo.jp/user/6893285/mylist/20183976
【吹奏楽】 アンソニー・イアナコーン『シー・ドリフト』
Anthony Iannaccone : Sea Drift アンソニー・イアナコーン(アイアナコーン)のオストウォルド賞受賞作である。リクエストがあったのでアップしてみた。先にアップした『やさしき雨の後に』が陽のイアナコーンならば、『シー・ドリフト』は陰のイアナコーンである。『やさしき~』から10年以上の後に書かれた本作では、書法的にも円熟期を迎えたことが伺われる一方、楽天的な明るさは消え失せ、緊迫感と共にそこはかとなく蔭を漂わせた音楽となっている。演奏はドナルド・ハンスバーガー指揮イーストマン・ウィンド・アンサンブル。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
18:34|2010年08月13日 16:07:33 投稿
【吹奏楽】 サミュエル・バーバー『コマンド・マーチ』
Samuel Barber : Commando March バーバーの唯一の吹奏楽作品。硬質でシャープかつ機能的な歯切れのいいマーチである。軽快な主部と流麗な中間部から成るそれまでのマーチとは一線を画し、この曲の中間部は主部のきびきびとした緊張感のある曲調をそのまま踏襲しており、全体が一つの意図のもとに緊密に統合されている。管弦楽が面的、吹奏楽が線的であるするならば、この曲は線的な直進性の魅力を最大限に引き出していると言えよう。演奏はジャック・スタンプ指揮キーストン・ウィンド・アンサンブル。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
3:34|2010年08月11日 20:07:39 投稿
【吹奏楽】 アンソニー・イアナコーン『やさしき雨の後に』
Anthony Iannaccone : After a Gentle Rain アンソニー・イアナコーン(アイアナコーン)の初期の吹奏楽作品。吹奏楽はともすれば響きが厚ぼったくなりがちであるが、この作品はこれを克服しており、まるで印象派のように軽やかに煌めくオーケストレーションが実に見事である。力で押し通すことのないスマートで知的な秀作である。演奏はマックス・プランク指揮クラリオン・ウィンド・シンフォニー。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
7:12|2010年08月10日 16:36:03 投稿
【吹奏楽】 ジョナサン・ニューマン『クライミング・パルナサス』
Jonathan Newman : Climbing Parnassus あえて訳せば、『パルナッソス山に登る』になるか。ギリシア神話ではパルナッソス山は芸術の発祥の地とされており、パルナッソス山に登るということはすなわち芸術の道を極めることを意味する。この曲は、各楽器が奏でる単音を緻密に積み重ねひとつの音響世界を産み出すという、吹奏楽では異色の手法が用いられており、題名に恥じることのない非常に意欲的な作品となっている。生演奏の場合、倍音が豊かに響き充実した空間が現れるのだが、録音ではそれを再現できていないのが残念である。派手でもなく、動きも少ないので一般には好まれないかもしれないが、耳を傾ける価値は十分にある。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
8:54|2010年08月08日 23:54:05 投稿
【吹奏楽】 ジャック・スタンプ『新時代へのファンファーレ』
Jack Stamp : Fanfare for a New Era ジャック・スタンプは演奏会用のファンファーレをいくつも書いているが、その中でも屈指の作品が『新時代へのファンファーレ(新時代のためのファンファーレ)』であろう。これほど鮮烈で直球勝負、脳を揺さぶるファンファーレは他にあるだろうか?是非音量をMaxにして聴いて欲しい。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
2:16|2010年08月08日 11:53:05 投稿
ジェリー・ビリク『吹奏楽のための交響曲』
Jerry H. Bilik : Symphony for Band I. Allegro vivace II. Andante(4:50-) III. Andante maestoso, Allegro ritomico(11:10-) ジェリー・ビリク(ビリック)が初めて本格的に吹奏楽に取り組んだ作品。全体的に明快でわかりやすく、シャープに仕上がっている。日本ではなかなか生の演奏に出くわすことはないが、もっと取り上げられても良いすぐれた作品である。演奏はピエール・キュエイペルス指揮オランダ王国陸軍軍楽隊。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
16:42|2010年08月08日 07:57:59 投稿
【吹奏楽】 イダ・ゴトコフスキー『輝かしい交響曲』
Ida Gotkovsky : Symphonie Brillante I. Arioso - Lento II. Prestissimo con brio(6:35-) 彼女のもつ力強さとしなやかさが見事に結晶化された代表作。トゥランガリラのような肉厚な音響、ブーランジェのような繊細な和声、そして機関車のごとく疾走するリズム。大胆かつ繊細に、そして野蛮かつ知的に展開する彼女の音楽は、聴く者の耳を捉えて離さない。特に第2楽章はまさに音の洪水であり、そこに広がるめくるめくゴトコフスキーの世界は暴力的ですらある。生半可な気持ちで聴くと悪酔いしてしまうであろう、非常にカロリーの高い音楽である。ヤン・コバー指揮オランダ王国ユースウィンドオーケストラ。(ハインツ・フリーセン指揮ボホルツ・フィルハーモニーが決定版だが未入手)【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
20:46|2010年08月05日 17:49:52 投稿
【吹奏楽】 ニクソン『フェスティヴァル・ファンファーレ・マーチ』
Roger Nixon : Festival Fanfare March ロジャー・ニクソンは『太平洋の祭り』や『チャマリータ』などが知られているが、このマーチも彼の代表作の一つである。5分程度の短い時間にニクソンサウンドが様々に盛り込まれ、引き締まった硬質なマーチとなっている。またこの作品でオストウォルド賞を受賞している。演奏は汐澤安彦指揮フィルハーモニア・ウインド・アンサンブル。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
5:01|2010年07月29日 21:35:33 投稿
【吹奏楽】 チャンス『管楽器と打楽器のための交響曲第2番』
John Barnes Chance : Symphony No.2 for Winds and Percussions ジョン・バーンズ・チャンスの最晩年の作品。彼はこの曲が完成した年、感電事故によりこの世をさった。最も油ののった時期の作品であり、この作品以降さらに充実した曲を書いていくであろうと期待されていただけに、彼の急逝によって我々が失ったものは計り知れないであろう。演奏はヘルト・バイテンハイス指揮のオランダ王国海軍軍楽隊。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
17:40|2010年07月29日 21:07:22 投稿
【吹奏楽】 ザーメツニーク『フェスティーヴォ・ベン・リトミコ』
Evžen Zámečník : Festivo ben ritmico エウゼン・ザーメツニークはチェコの作曲家。フーサやネリベルなど一部を除いて、チェコの作曲家による吹奏楽作品はほとんど日本に紹介されていないが、チェコの同時代の作曲家の紹介自体が少ない現況においては、宜なる哉である。この作品を「傑作選」に入れるか迷ったが、小気味いいリズムと、東欧的響きを残しつつも悲壮感の漂わずに軽く仕上げている点を評価し、リスト入りとした。演奏団体は不明。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
6:23|2010年07月29日 01:04:00 投稿
【吹奏楽】 アラン・ホヴァネス『交響曲第4番』作品165
Alan Hovhaness : Symphony No.4, Opus 165 I. Andante II. Alegro(8:55-) III. Andante espressivo(13:23-) トゥッティや強奏はほとんど用いられておらず、昨今吹奏楽で好まれて演奏される諸作品とは傾向を異にする。そのためか、日本でホヴァネス作品の演奏にお目にかかることはまず無い。吹奏楽による表現の別の一面を見せてくれる貴重な存在である。演奏はA.クライド・ローラー指揮イーストマン・ウィンド・アンサンブル。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
21:13|2010年07月26日 19:52:47 投稿
【吹奏楽】 ロバート・ジェイガー『交響曲第2番「三法印」』
Robert Jager : Symphony No.2 I. 諸行無常 II. 諸法無我(6:18-) III. 涅槃寂静(10:52-) ジェイガーは数々の吹奏楽作品を書いている。ダイヤモンド・ヴァリエーションズやシンフォニエッタ、吹奏楽のための協奏曲等はそれらの中でも珠玉の名曲である。いずれの作品をアップするか非常に悩んだが、今回は交響曲第2番にした。比較的人気のある第1番が明快で機能的なのに対し、第2番は思索的かつ深遠でややとっつきにくい感がある。しかし、静かさの奥に強さと深さを備えた抑制の美学がここにはあり、充実度という点では第1番を凌駕している。沈潜の向こう側にあるものを楽しんでいただきたい。演奏は秋山和慶指揮の東京佼成ウインドオーケストラ。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
16:39|2010年07月25日 18:34:31 投稿
【吹奏楽】 ノーマン・デロ=ジョイオ『中世の旋律による変奏曲』
Norman Dello Joio : Variants on a Mediaeval Tune 演奏は、フェネル指揮ダラス・ウィンド・シンフォニー。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
11:11|2010年07月25日 17:54:13 投稿
【吹奏楽】 ジェイムス・カーナウ『シンフォニック・ヴァリアンツ』
James Curnow : Symphonic Variants for Euphonium and Band 演奏は、スティーブン・ミードの独奏、アーレクス・シュイリングス指揮のヨハン・ヴィレム・フジョー・カペル。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
18:00|2010年07月25日 10:17:02 投稿
【吹奏楽】 アルフレッド・リード『交響曲第3番』第1楽章
Alfred Reed : Symphony No.3 1st Movement 数多くあるリードの作品からどれをアップするか悩んだが、最もシリアスかつスケールの大きなものとして交響曲第3番をアップすることにした。新たな響きを模索しつつ無駄なくすっきりとまとめられた第四交響曲や、ややキャッチーになり過度に分かりやすくなった第五交響曲に比べ、第3番は重厚かつ難解である。リードの創作の中でも最も重要な作品の一つであろう。演奏は作曲者の指揮で東京佼成ウインドオーケストラ。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
8:27|2010年07月25日 09:26:37 投稿
【吹奏楽】 デジレ・ドンディーヌ『シンフォニア・サクラ』
Désiré Dondeyne : Symphonia Sacra I. Entree et Aspersion II. Litanies (8:04-) III. La Verité Salutaire (13:00-) 日本ではあまり知られていないデジレ・ドンディーヌ。パリ警視庁音楽隊の指揮を勤めつつ、良質な作品を生み出している。この作品も彼の手による秀作であるが、日本で聴くことはできないだろう。是非最後まで通して聴いていただきたい。演奏は、ヤン・コバー指揮オランダ王国ユースウィンドオーケストラ。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
16:27|2010年07月24日 11:16:51 投稿
【吹奏楽】 ロン・ネルソン『パッサカリア』
Ron Nelson : Passacaglia 疑いなく90年代の最重要作。ネルソンはこの作品で、オストウォルド賞、サドラー国際吹奏楽作曲賞、ナショナル・バンド・アソシエーション賞(現ウィリアム・レヴェリ作曲賞)というアメリカの三大吹奏楽作曲賞を総ナメにした。この偉業を達成したのはネルソンのみ。B-A-C-Hという単純な音列を用いて様々に発展・展開させており、その構築性は他の作品の追随を許さない。その難解さゆえ、また演奏の難しさゆえ日本ではほとんとお目にかかることがないが、これは全く不幸なことである。演奏は、作曲者の指揮でダラス・ウィンド・シンフォニー。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
10:42|2010年07月23日 19:35:06 投稿
【吹奏楽】 ピーター・メニン『カンツォーナ』
Peter Mennin : Canzona 演奏はジャック・スタンプ指揮キーストン・ウィンド・アンサンブル。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
4:42|2010年07月23日 08:38:57 投稿
【吹奏楽】 ヴィットリオ・ジャンニーニ『交響曲第3番』第4楽章
Vittorio Giannini : Symphony #3 4. Allegro con brio 演奏はフレデリック・フェネル指揮ダラス・ウィンド・シンフォニー【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
5:26|2010年07月22日 23:53:58 投稿
【吹奏楽】 ジャン・アプシル『ブルガリア舞曲集』作品103
Jean Absil : Bulgarian Dances, opus 103 I. Maestoso II. Andante III. Molto vivo IV. Andantino V. Vivo アプシルは日本ではほとんど知られていませんよね。しかし味わいと奥行きのある秀作をいくつも残しています。演奏はノルベール・ノジー指揮のベルギー・ギィデ交響吹奏楽団。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
10:37|2010年07月22日 23:33:19 投稿
ゴトコフスキー『交響吹奏楽のための協奏曲』第3楽章
イダ・ゴトコフスキー:交響吹奏楽のための協奏曲(大吹奏楽のための協奏曲)から第3楽章オプスティネ Ida Gotkovsky : Concerto pour Grand Orchestre d'Harmonie 3.Obstine 吹奏楽作品の中でも最も難しい部類に入る。日本で演奏されることはほとんど無いため、いつか生で聴けることを願ってやまない。演奏はノルベール・ノジー指揮のベルギー・ギィデ交響吹奏楽団。今では廃盤になってしまった音源。なお、フェネルとTKWOのコンビによる録音が市販されているが、こちらは入手可能。【水槽厨にこそ聴いてほしい吹奏楽傑作選 mylist/20183976】
5:56|2010年07月22日 15:21:38 投稿