チャイコフスキー 幻想序曲『ロメオとジュリエット』

チャイコフスキー 幻想序曲『ロメオとジュリエット』

チャイコフスキーのシェイクスピア三部曲の一つである。修道僧ロレンスを表すコラール風の荘重な序奏に始まる。続くソナタ形式による主部では、まずモンタギュー家とキャピュレット家のいさかいを表す激情的な第1主題が現れ次第に激しくなっていく。それが少しずつ落ち着いてきたところで変ニ長調へと変わり、ロメオとジュリエットの恋を描く甘美な第2主題が出る。第1主題が序奏の主題を伴いながら断片的に現れると、それに続いて第1主題と第2主題が再現される。各主題が交錯しながら盛り上がり最高に達したところで終結部へと流れ込む。モデラート・アッサイの終結部は、葬送行進曲風のティンパニの刻みに悲しげな第2主題が重なり、ロ長調で清らかに曲を奏でると、最後はトゥッティの緊迫した和音で終わる。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm21342903