ダンディ:交響的変奏曲「イシュタル」作品42

ダンディ:交響的変奏曲「イシュタル」作品42

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=83shRaUBLeI )。 19世紀後半、中東のシュメール文明遺跡(ニネヴェ等)では「ギルガメシュ叙事詩」の断片が発見され、その翻訳が進みました。そして、その中の記述に大洪水の記述があり、これが後世における旧約聖書の大洪水(ノアの方舟)の逸話と酷似していたため、叙事詩は「現存する世界最古の物語」と称され、ヨーロッパ世界において古代中東文明が注目を受けるきっかけとなります。 この流れは音楽界においても影響を及ぼし、19世紀末~20世紀前半に「ギルガメシュ叙事詩」に基づく音楽作品がいくつか作曲されています。 その最初期の作品が、「フランスの山人の歌による交響曲」で有名なヴァンサン・ダンディが1896年に作曲した交響的変奏曲「イシュタル」作品42です。これは叙事詩の中の一節で、女神イシュタルが冥界の番人となった夫ドゥムジを追って、姉の女王エレシュキガルが統治する冥界を下っていくという「イシュタルの冥界下り」を題材としています。本作はイシュタルを表す主題と10の変奏から構成されていますが、必ずしも冥界下りの情景を細かく描写したものではなく、むしろ道中におけるイシュタルの気分の変化を表したものとなっています。 ラモン・ガンバ指揮アイスランド交響楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33381933