マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調(ヘルマン・シェルヘン指揮フィラデルフィア管)

マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調(ヘルマン・シェルヘン指揮フィラデルフィア管)

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=6DSslGg-cDk )。ドイツの指揮者ヘルマン・シェルヘン(1891 - 1966)が遺したマーラーの交響曲録音は、その個性的な解釈による演奏がスキャンダルを巻き起こしたことで知られています。特に有名(悪名高い)なのが交響曲第5番の演奏で、フランス国立放送管弦楽団を指揮した1965年のライブ録音は、シェルヘンの解釈に加えて、アンサンブルが崩壊しかけながら必死に指揮に追いつこうとするオーケストラ、演奏終了後の「ブラボー」とブーイングが飛び交う聴衆の反応など、一度聴いたら忘れられない記録となっています。しかし、実はその前年である1964年、シェルヘンはフィラデルフィア管弦楽団を指揮してほぼ同じ解釈で交響曲第5番を演奏し、アメリカデビューを果たしています。この演奏はラジオ番組として実況放送され、録音も遺されました(なので演奏の前後に番組司会のナレーションが入っている)。技量に優れるフィラデルフィア管はシェルヘンの指揮によく応え、アンサンブルを破綻させることなく演奏しています。聴衆の反応も「ブラボー」一色の好意的なもので、この曲に対するシェルヘンの解釈を冷静に批評するのであれば、フランス国立放送管との録音よりこちらの方が有益と思います。この演奏の特色は、第1・第2楽章の急激なテンポ変更、第3・第5楽章の大幅カット、第4楽章の遅さ(約15分)により、通常70分以上かかる演奏時間が1時間以内に収まるという極端なものです。一説には、ラジオ番組の放送時間(1時間)以内に収めるためだったとされています。ヘルマン・シェルヘン指揮フィラデルフィア管弦楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm33941764