ヴィドール:オルガン交響曲第5番 ヘ短調 作品42-1

ヴィドール:オルガン交響曲第5番 ヘ短調 作品42-1

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=3CgD1ONIKpc )。フランスのオルガン奏者・作曲家であるシャルル=マリー・ジャン・オベール・ヴィドール(1844 - 1937)は、オルガンのための様々な作品を作曲しました。その中でも最も重要なのが「オルガン交響曲」というジャンルです。19世紀中盤、オルガン製作者カヴァイエ=コルは、フランス革命により破壊されたり、老朽化したりしたフランス国内の教会オルガンを再建するにあたって、革新的な機構を多数用いました。そうして完成した新しいオルガンは、オーケストラに似た交響的な響きが可能なもので、その革新性ゆえにフランス国内で大評判となり、後に「ロマンティック・オルガン(ロマン派のオルガン)」「シンフォニック・オルガン」などと呼ばれるようになります。ヴィドールはオルガン奏者として成長する過程でカヴァイエ=コルからの助言や支援を受けており、ロマンティック・オルガンの豊かな響きを何度となく耳にしていました。この楽器の能力を可能な限り生かした音楽作品の作曲に取り組んだヴィドールが創始したのが、オルガン独奏のための交響曲、すなわち「オルガン交響曲」です(ただし、セザール・フランクの「大オルガンのための6作品」( sm34782402 )の第2曲「交響的大曲」作品17を最初のオルガン交響曲とする意見もあります)。ヴィドールはその生涯において10曲のオルガン交響曲を作曲しましたが、この中で最も有名なのが、第5番 ヘ短調 作品42-1です。この作品は5楽章で構成されていますが、最終楽章「トッカータ」は20世紀後半からデンマーク・イギリス・ノルウェーの王室における結婚式での音楽として何度も演奏されたことから、欧米では「結婚式の音楽」として有名となりました。また、この作品によってフランス圏の音楽界ではトッカータというバロック時代以降に廃れてしまっていた様式に対する注目度が上がり、後の多くの作曲家によって「トッカータ」と命名された曲が作曲されることとなりました。マリー=クレール・アラン(オルガン)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm34787569