モーツァルト:ロンド ニ長調 K. 382

モーツァルト:ロンド ニ長調 K. 382

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=t_tDfnYVHMY )。モーツァルトが1773年に作曲した初のオリジナルのピアノ協奏曲である第5番ニ長調 K.175(382)( sm35524270 )は初演から大好評を博し、彼は演奏旅行においてもこの協奏曲の楽譜を携えて各地で演奏を披露することとなり、モーツァルトの出世作となりました。1782年3月、モーツァルトはウィーンでの演奏会で第5番をプログラムに加えますが、その際に第3楽章を聴衆の好みに合わせた新作にすることを思いつき、差し替え用の新たな第3楽章を作曲します。これがロンド ニ長調 K. 382で、「ロンド」という名前ながら実質的には主題と7つの変奏、カデンツァとコーダを持つ変奏曲となっています。主題に採用されているのは、番号が付いていない「3つのピアノ協奏曲」K.107の第1曲から第1楽章ですが、この作品はヨハン・クリスティアン・バッハのピアノソナタ作品5-2をモーツァルトがピアノ協奏曲として編曲したもので、いわばクリスティアン・バッハの作品から主題を引用(孫引き?)したといえます。この作品に第3楽章が差し替えられたピアノ協奏曲第5番の演奏はウィーンの聴衆に圧倒的に支持されました。その後、モーツァルトは演奏会ではこのロンドを協奏曲第5番の第3楽章として演奏するようになり、1785年に出版された協奏曲の初版でも、こちらのロンドが第3楽章として採用されるまでになりました。ただし、現在では協奏曲第5番の第3楽章は最初のロンドがそのまま使われ、K.382は単独のコンサート・ロンドとして演奏されるのが一般的です。アルフレート・ブレンデル(ピアノ)ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm35524488