ドヴォルザーク:スターバト・マーテル 作品58(B.71)

ドヴォルザーク:スターバト・マーテル 作品58(B.71)

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=MTPxgiAtTp0&t=1052s )。1875年、オーストリア政府の奨学金審査に合格して作曲活動に専念できるようになったドヴォルザークに、生まれたばかりの長女が出産からわずか2日後に亡くなるという不幸が訪れました。これがきっかけで、彼は翌1876年2月~5月の間、十字架にかけられたイエスの足元で聖母マリアが我が子の死を嘆く様を歌う宗教音楽「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」のスケッチを書き上げます。しかし、当時のドヴォルザークは新作の歌劇やピアノ協奏曲の作曲、教会のオルガン奏者としての職務などで多忙であり、一旦この作品の作曲は留め置かれました。ところが翌1877年、今度は次女と長男が立て続けに亡くなるという不幸に見舞われます。これにより、ドヴォルザークは悲しみを振り払うべく未完成のスケッチを再度取り出し、長男の死から約2か月後の11月17日に作品を完成させました。これがドヴォルザークの宗教音楽としては「レクイエム」と並ぶ傑作「スターバト・マーテル」作品58(B.71)です。本作の初演は3年後の1880年12月23日、プラハの音楽芸術家協会の定期演奏会で行われましたが、このときはあまり成功しなかったようです。本作の評価が高まったのは、1883年5月10日にイギリスのロンドン音楽協会がロイヤル・アルバート・ホールで行ったイギリス初演においてであり、この成功がきっかけでドヴォルザークの名がヨーロッパ音楽界で知られるようになったといわれています。指揮者マリス・ヤンソンスは、日本では主に交響曲や管弦楽の名演奏で知られていますが、彼は歌劇や宗教音楽の演奏でも高レベルな演奏を披露しており、ドヴォルザークについても、バイエルン放送交響楽団とのコンビで「スターバト・マーテル」と「レクイエム」の両方で名演奏を遺しました。この動画でその優れた手腕は明らかであり、その死が本当に惜しまれます。エリン・ウォール(ソプラノ)藤村実穂子(メゾソプラノ)クリスティアン・エルスナー(テノール)リアン・リ(バス)マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団・同合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm36050442