チャイコフスキー:「グランド・ソナタ」ト長調 作品37

チャイコフスキー:「グランド・ソナタ」ト長調 作品37

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=J5AQkKKLIKQ )。1878年4月、チャイコフスキーは4楽章からなるト長調のピアノソナタを作曲し、作曲者自身によって「大ソナタ(バリシァーヤ・ソナタ)」と命名しました。これが「グランドソナタ」ト長調 作品37で、チャイコフスキーが生前に出版した唯一のピアノソナタです。チャイコフスキーはピアノソナタというジャンルにはさほど創作意欲をそそられなかったようで、同時期に作曲されたヴァイオリン協奏曲に比べると完成が遅れました。それでも本作はニコライ・ルビンシテインによって初演されて大成功を収め、批評家からも高く評価されました。しかし、現在では(例えば比較的有名なピアノ曲集「四季」と比べると)低い知名度に甘んじています。これは、ピアノ作品に交響的な響きを追及したシューマンの影響が大きい(「大ソナタ」という命名自体が、同じ題名を持つシューマンのピアノソナタ第3番に影響されたからと言われています)ことと、美しいメロディを量産したことで知られるチャイコフスキーの作品にしては主題がやや弱いことが原因と考えられています。しかし、本作は古今の作曲家が手掛けたピアノソナタの中でも上位に食い込める魅力があり、「知る人ぞ知る佳作」という状況はもったいないように思われます。ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm36652756