【聖戦の系譜】#26琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

【聖戦の系譜】#26琴葉姉妹が聖戦に巻き込まれるようです。【ファイアーエムブレム】

sm37760519   mylist/68640421  次 sm37790319 琴葉姉妹はヴェルトマー城の塔に連行された。抵抗することもできたがシグルド軍が壊滅し捕虜もいることを伝えられると大人しく従った。それが嘘か本当かわからなかったからだ。あのシグルドたちが負けるわけない。茜はそう信じているがそれは信じるというよりは祈りだった。石造りの塔は冷たく温もりがなかった。武器を取り上げられたが拘束はされていない。見張り台へ続く長い登り階段があるが兵士に背中を突かれながら通されたのは隠し扉の先にある地下だった。頼りないろうそくの明かりに照らされていくつか扉が浮かび上がる。二人が通されたのは最奥の鉄格子の寒々しい部屋だ。壁面には何かがこびりついた黒い染みが広がっている。「貴族にありがちな拷問部屋か?」そう独り言ちると葵が手を握りながら不安そうに見つめてきた。その目を見つめ返しているうちに音を立てて錠が降りる。琴葉姉妹は囚われの身になった。それから何日かが過ぎた頃訪問者がやってきた。黒いローブを纏った尖った鼻の男。闇の魔道士だった。「ふぉふぉ……妙なおなご共じゃ。エーギルが他の者と全く異質。まるで伝説の竜族と言われても不思議ではない生命力。調べてみたいものじゃ」茜は本能的に悟った。目の前にいる者がすべての元凶だと。そしてそれは葵も同じだった。「あなたは……!」「じゃが二人はいらぬ。この剣でどちらかが死ぬまでお互いに殺し合うがよい」そう言って男は鉄格子の間から剣を放る。剣は葵の近くに落ちた。葵は剣を拾う素振りをしてそのまま剣を男に向かって投げ返す。だが狙いはわずかに逸れ相手の頬を浅く切り裂くに止まり背後の石壁に深々と突き立った。「……恐ろしいやつじゃ」冷や汗をかいた男は突き立った剣を抜こうとしたがピクリとも動かない。男はすぐに諦めると懐から黒い魔道書を取り出す。それが茜に向けられるのと葵が叫ぶのは同時だった。「あれは暗黒魔法……!」禍々しい光が茜を包み込む。だがそれをかばうように葵が茜を突き飛ばした。「あ、葵……?」茜は声をかけるが葵は自分の代わりに魔法を受け倒れたまま動かない。だがそれも一瞬の間だけだった。葵がむくりと起き上がった。しかしその動きは幽鬼のように人間味がない。「オネエチャン……コロス……」という展開はないので忘れてください。

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