【モーツァルト】テッサリアの民【さとうささら】Kv316

【モーツァルト】テッサリアの民【さとうささら】Kv316

これもコンサートで単独で演奏されるコンサート・アリアの1つです。これもモーツァルトが思いを寄せていたウェーバー家の娘、アロイジアのために書いたと言われています。モーツァルトはアロイジアの歌唱力を非常に高く買っていて、彼女をイタリアに連れて行って舞台デビューさせようとしましたが、それを知った父のレオポルトは激怒。「一度も舞台に立ったことのない娘をイタリアまで連れていきなり舞台に立たせて、うまくいくと思っているのか?何を考えているんだ」とか。そのときアロイジアは16-7歳だったといいますから、ちょうどささらちゃんと同い年くらいですね。「夜の女王のアリア」を超えるG6音が最高音になっているほか、メリスマにも高度な歌唱力を要求される難曲です。これを歌いこなしたアロイジアは相当の歌唱力の持ち主だったのでしょう。この曲をモーツァルトは、この種の曲ではとてもよくできたと、自賛していたそうです。この曲の題材はグルックのオペラ「アルチェステ」から採られたもので、オリジナルは古代ギリシャ神話を元にしたエウリピデスの悲劇「アルケースティス」(伊:アルチェステ)です。アルチェステはテッサリアを領していたアドメートスの王妃でした。アドメートスはアポローン神の好意により、自分が死ぬときには誰かが身代わりになれば生きながらえることができることになっていました。そしてまさにアドメートスに死期が訪れ、王国が最大の危機に見舞われたとき、誰も身代わりになろうとせず、ついにアルチェステは自分が身代わりになる悲愴な決意をします。そして最後の毒を飲み干したあと、テッサリアの民の前に立って国難を訴えたのがこの歌のシーンです。レチタティーヴォがハ短調の深刻な調性で歌われたあと、アリアは一転して、死を達観したかのようなハ長調の明るいメロディになります。もう神には何も求めないけど、私の苦しみだけは分かってほしいと歌い、黄泉路への途につきます。オリジナルは紀元前ですが、困難に際して指導者が心のこもった言葉で民衆に語りかけることの重要さは、現代でも変わらない気がします。よろしく>BumblebeeQueen mylist/39940036 ホームページ開設しました  https://bumblebeequeen.wixsite.com/home ※追記:広告有難うございます

http://www.nicovideo.jp/watch/sm38107997