チャイコフスキー:交響曲第1番 ト短調「冬の日の幻想」作品13(第2稿)

チャイコフスキー:交響曲第1番 ト短調「冬の日の幻想」作品13(第2稿)

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=JX-RmwNMFWw )。チャイコフスキーが最初の交響曲である第1番 ト短調「冬の日の幻想」作品13を作曲したのは1866年のことですが、この作品が完成するまでには紆余曲折がありました。同年6月に完成した草稿(第1稿)を恩師アントン・ルビンシテイン等に見せたところ「演奏に値しない」と酷評されます。恩師の助言を受けてチャイコフスキーは楽譜を改訂し(第2稿)再度ルビンシテインに提出しましたが、第2・第3楽章については評価されたものの、第1・第4楽章については酷評され、作品全体としては評価されませんでした。そこでチャイコフスキーは第2楽章や第3楽章を先行して初演し、作曲から2年後の1868年にアントンの弟であるニコライ・ルビンシテインの指揮により第2稿の全曲が初演され、成功を収めました。その後、1874年にチャイコフスキーは評価が低かった第1・第4楽章を中心に本作を改訂し(第3稿)、これが現在演奏される版となっています。第2稿は第3稿と比較すると、中間楽章はほとんど変わっていない一方、両端楽章の構成が異なっており、演奏時間が長いことがわかります。第3稿への改訂にあたって、チャイコフスキーは両端楽章の長大な部分を余計なものと見なして削る作業を主に行っています。第2稿の演奏・録音がほとんど行われていない(演奏録音はこの動画がほぼ唯一)ことを考えると、この改訂は概ね妥当だと思いますが、チャイコフスキーが若さに任せて書き上げた交響曲第1番の本質を考えるうえで、第2稿の存在は無視できないと思います。イラン・ヴォルコフ指揮BBCスコティッシュ交響楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm39038525