ベートーヴェン:「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲 ニ長調 WoO79

ベートーヴェン:「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲 ニ長調 WoO79

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=Bs0NTnCAggM )。1803年、ベートーヴェンはイギリスの歌に基づくピアノ独奏用の変奏曲を2曲作曲しました。このうち最初に作曲された「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」による7つの変奏曲 WoO.78の次に作曲されたのが「ルール・ブリタニア」による5つの変奏曲 ニ長調 WoO.79です。「ルール・ブリタニア」はスコットランド出身の詩人ジェームズ・トムソンの同名の詩に、トマス・アーンが1740年に曲を付けたものです。その詩の内容は「イギリスを擬人化した女神ブリタニアが世界を支配するであろう」、つまり「イギリスは世界を支配するだろう」というもので、イギリス国内では愛国歌として現在に至るまで広く歌われています。本作は前作「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」変奏曲と比べてかなり自由な変奏を行っており、後のベートーヴェンが「ディアベリ変奏曲」のような主題の原型が目立たなくなる「性格変奏」を手掛ける兆しがうかがえる曲となっています。本作が作曲された1803年、ベートーヴェンはイギリスのジョージ・トムソンという人物と手紙のやり取りを始めました。トムソンはスコットランド人官吏でありながら楽譜商を営み、イギリス民謡を収集・出版した人物で、彼と知り合ったことでベートーヴェンはイギリスにちなむ変奏曲を2曲続けて手掛けたと推測されています。そして10年後の1813年にベートーヴェンは「ルール・ブリタニア」の旋律を引用して「戦争交響曲」の異名を持つ「ウェリントンの勝利」作品91を作曲し、当時の聴衆に広く受け入れられることとなります。ジョン・オグドン(ピアノ)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm41087646