ジュースマイヤー:レクイエム

ジュースマイヤー:レクイエム

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=Y7pTCsCgzTQ )。オーストリアの作曲家フランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤー(1766 - 1803)は、モーツァルトのレクイエムを補筆完成させた功績で後世に名を残しましたが、それに先駆けて自身もレクイエムを2曲作曲しています。その内容は1786年に作曲された第1番と、第1番の演奏規模を拡大した第2番(作曲時期不詳)ですが、これらが作曲者の生前に演奏された記録は残されていません。このレクイエムは、楽器編成はヴィオラのない弦楽合奏と通奏低音にナチュラル・ホルンと合唱のみで、内容的にもモーツァルトの作品のような劇的展開は全くなく、演奏時間も約18分で小さくまとまった作品となっています。また第1曲は合唱の無い前奏曲であり、歌われる歌詞はラテン語をドイツ語に翻訳して使われていて、ブラームスのドイツ・レクイエムを先取りする要素もあります。とはいえ、全体的にはウィーン古典派の型に収まった平凡な作品であり、この作曲者が後にモーツァルトのレクイエムを補筆(サンクトゥス、ベネディクトゥス、アニュス・デイの3曲を新規に作曲)したとは想像しにくいところです。なお、この動画の演奏は実際の楽譜から大きく改変されており、ナチュラル・ホルンのかわりにバセット・ホルンを使用したり、原曲の繰り返しを冗長としてカットしたり、曲の順番を入れ替えたりしています。この改変がなければ演奏時間は40分弱になると思われますが、演奏者としては原曲があまりにも冗長すぎるために種々の改変を行ったようです。なので、個人的にはこの演奏をもって真正なジュースマイヤーのレクイエムとするのはどうか、というためらいもあります。アンドレアス・デルフス指揮セント・ポール室内管弦楽団セント・オラフ合唱団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42178321