カルクブレンナー:様式と完成の25の大練習曲 作品143

カルクブレンナー:様式と完成の25の大練習曲 作品143

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=-Mt0kHxWlUg )。ドイツに生まれ、主にフランスでピアニスト・ピアノ教育者・作曲者として活動したフリードリヒ・ヴィルヘルム・ミヒャエル・カルクブレンナー(1785 - 1849)は数多くのピアノ曲を作曲しましたが、このうち練習曲集は7種類あり、これらは現代にいたるまでピアニストの技術訓練の指導教材として使用されています。それらの中で最も評価が高いのは、1839年に出版された「様式と完成の25の大練習曲」作品143です。題名にある「様式」とは作品の持つ性格を演奏で表現すること、「完成」とは演奏の技巧を完全にすることを意味しており、演奏における表現力と高難度の技巧を学ぶための作品であることを示しています。そして作品に対する反応は概ね好意的であり、ある批評家は「和声の豊かさと純粋さ、新鮮で傑出した旋律、ゆったりとしてかつ識者らしい仕上がり」を称賛しました。なお、本作が出版された1830年代は高度な技巧を要するピアノ曲が多数登場しており、特に本作出版の2年前にあたる1837年には、カルクブレンナーより下の世代にあたるショパンが12の練習曲(作品25)を、リストが24の大練習曲(作品6 後の超絶技巧練習曲)を、シューマンが交響的練習曲(初稿)を出版しています。カルクブレンナーは優れたピアニストとして名を上げましたが、その自信過剰な性格も有名であり、自分より年下の音楽家が高度な技巧を要する練習曲を相次いで出版したことにプライドを傷付けられた結果本作の出版を決めたのではないか、という推測もなされているようです。タイラー・ヘイ(ピアノ)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42451438