私のジャマイカ滞在記⑦ / 44A

私のジャマイカ滞在記⑦  /  44A

ジャマイカ、ストーンラブスタジオの近くにある小さなスタジオ、7star general studio。僕がそこに足を踏み入れたのは、15年前のことだった。その時の僕の姿は、彼らがよく使う言葉で言えば、ほぼ黒人のような姿になっていた。それはリッキーベンツという男からの招待に応じて訪れた場所だった。彼の名を耳にした時、心の中で小さな熱が湧き上がった。僕が求めていたのは、まさにこういう環境だったからだ。7star general studioの庭には、名もなきアーティストたちが集まり、サイファーで自分のスキルを磨いていた。僕もその中の一人として、日本で作った「アリが十匹ありがとう」という歌を披露した。それはある意味、場を“ボス”にするための僕の魔法だった。その歌がリッキーベンツの耳に入り、彼は僕をスタジオの中へと連れて行った。そこで僕が出会ったのは、社長のla lewisだった。彼は白のスーツに身を包んだ、まるで実業家のような風格を持つ男だった。その男は、僕に突如として歌を披露するよう要求してきた。緊張の中、僕は日本で受けた「パジャマパーティー」という歌を普通の声量で歌い上げた。しかし、それはla lewisの期待に応えるものではなかった。彼の顔には失望の色が浮かび上がり、僕を社長室から退出させた。外に出たところ、リッキーベンツが待っていた。彼の顔には、なぜこんなことになったのかという不思議そうな表情が浮かんでいた。しかし、彼は突如として僕に「俺が特訓してやるから、弟子になれ」と言い放った。それからの僕の日々は、レゲエの歌の修行の日々となった。リッキーベンツとの特訓の中で、彼と僕は同じ年だということを知った。それは、僕の人生の中での新たな章の始まりだった。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42952960