私のジャマイカ滞在記 ⑫ / 44A

私のジャマイカ滞在記 ⑫ /  44A

ジャマイカのパワースポット「JAMAICA」とは、神様が創造された地を意味する。遥か昔、この島はインディアンによって美しく守られていた。しかし、コロンブスの到来とともに、その平和は破られた。彼らは抹殺され、やがてこの地は怪物王モーガンが支配するポートロイヤル、悪の巣窟と化した。ダウンタウンは今もその名残を残し、ギャングが治める恐ろしい場所となっている。それでも、聖域を求める者はブルーマウンテンの山を目指す。霞に包まれた神聖なラスタの村、白人に立ち向かった奴隷たちの村マルーンがある。私はラスタの村にホームステイをした。壁紙にはエンペラーセラシエの肖像画が勇ましく掲げられており、ボブ・マーリーアンドウェイラーズを思い起こさせた。滞在先を紹介してくれた日本人女性と何を話したかは忘れたが、おそらくこの村に寄付をしてほしいという話だったろう。村人はドラム缶でバナナを煮込み、栄養ドリンクを作り下界に売りに行っていた。他の産業はほとんど見当たらない。ある日、バナナを混ぜていた男が、遠く離れた上方の家にいる男と大声で話す姿に遭遇した。彼らの声は「ヤガヨー」という掛け声で、まるで「何か用か」と怒鳴っているかのようだった。その声には圧倒的なパワーがあった。夜は、ヤムイモを練って作った餅のようなものが入ったスープをいただいた。正直、これは私の苦手なジャマイカ料理だった。しかしジャマイカのおばちゃんたちは、この料理のおかげでジャマイカの陸上選手が速いと言っていた。それは彼らのソウルフードだ。翌朝、朝靄の中でみんなが掃除をしていた。私も手伝うべきだったが、彼らは客人には頼まなかった。私はただ、それを眺めていた。その時、私は自分がいけずな男だと感じた。ブルーマウンテンでの滞在は規則正しいリズムで終わったが、なんとも言えないパワーを感じた。下界に戻り、初めて撮った写真は七色の美しいものだった。ジャマイカから帰った後、それをトートバッグにしようと思ったが、見当たらない。それはまるで、神通力を得たかのようなひと時だった。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm42970770