リスト:「クリスマス・ツリー」S.186

リスト:「クリスマス・ツリー」S.186

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=x3f3aWcUi9I )。フランツ・リストは晩年の1874年から1876年にかけて、孫娘ダニエラ・フォン・ビューロー(1860-1940 ハンス・フォン・ビューローとコジマの娘)のためにピアノ曲を作曲しました(第1稿 185a)。これらは1879年から1881年にかけて改訂され、全12曲のピアノ曲集「クリスマス・ツリー(Weihnachtsbaum)」S.186として完成しました。この頃、リストは健康状態に不安のある中でローマに滞在しており、孫娘ダニエラは祖父に同行してローマのホテルに滞在していました。この作品はリストがダニエラへの感謝の意を示すために作曲され、1881年のクリスマスにダニエラが滞在していたローマのホテルで初演されました。翌1882年には楽譜が出版されています。作品は題名が暗示する通り、多くの曲がクリスマス・キャロルに基づいています。ただし、曲の全てがクリスマスに関連しているわけではなく、第10~12曲はリストが10年以上実質的な伴侶としながらも正式に結婚できなかったカロリーネ・ツー・ザイン=ヴィトゲンシュタインとの思い出の回想となっています。作曲当時の孫娘ダニエラは未成年であったことを考慮して、演奏には高度な技巧が不要な曲が占めており、ある評論家は「シューマンの『子供の情景』やドビュッシーの『子供の領分』の遠い親戚」と評しています。なお本作はピアノ独奏曲ですが、4手ピアノのための編曲版(第1稿 S.612a 改訂稿 S.613)や、第2曲をテナー独唱、女性合唱、オルガンまたはハルモニウム用に改訂した版(S.49)が存在します。ローランド・ペンティネン(ピアノ)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43184138