フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 作品15

フォーレ:ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 作品15

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=lW4k7n9Q2Lg )。フォーレが1879年(24歳)に完成させたピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 作品15は、彼の初期作品の中でヴァイオリンソナタ第1番と並ぶ傑作として高く評価されています。当時のフランス音楽界においては歌劇こそが最上位のジャンルであり、歌劇以外のジャンルは室内楽を含めて作曲家が積極的に取り扱うものではありませんでした。20代のフォーレはそのことを良く分かっていたため、若い作曲家である自分の作品が注目されることを望んで室内楽作品、そしてその中でも比較的マイナーなピアノ四重奏曲に取り組みます。しかしこの頃のフォーレはマドレーヌ寺院の楽長就任や婚約の解消など、公私に渡って激動の最中であり、作曲には約3年の日時を要しました。しかも、1880年にいったん初演を行って好評を博したものの、終楽章について友人からの懸念に不安を感じたため、やはり約3年後の彼の初期作品のに新作の終楽章を書き上げました。つまり、作曲着手から約7年をかけて現在演奏される形になっています。こうして完成した決定稿は1884年4月5日に初演され、たちまちフォーレはフランス音楽界に新風を吹き込む気鋭の作曲家として高く評価されるようになりました。その後、フォーレは数多くの室内楽曲の傑作を作曲することとなりますが、20代のフォーレの作風は「日常の逸楽をそそる束の間の喜び、夢の魅惑的で情熱的なイメージ、思春期の感動と願望」(アルフレッド・コルトー)を表現するというわかりやすいものであるため、本作はフォーレの室内楽曲の中で最も演奏される機会が多い作品となっています。ネルソン・ゲルナー(ピアノ)樫本大進(ヴァイオリン)ローレンス・パワー(ヴィオラ)アントニオ・リジー(チェロ)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm43620964