<ニュース・コメンタリー>維新案が浮き彫りにする「存立危機事態」の実相

<ニュース・コメンタリー>維新案が浮き彫りにする「存立危機事態」の実相

 100時間を超える審議を経たとして、政府の安全保障関連法案は来週中にも衆院での採決が取りざたされるが、依然として新たな武力行使の基準となる「存立危機事態」が何を指すのかは不透明なままだ。 そうした中、7月8日、維新の党が政府案の対案として独自の安全保障法案を提出した。この法案自体は自民・公明の与党が賛同していないこともあり、可決、成立する可能性はほとんどないと見られる。しかし、維新案に政府・与党が賛成しないことが決まったことで、逆に維新案と政府案とを対比すれば、これまで全く霧の中にあった政府案の武力行使基準の意味が、逆説的に浮き彫りになるという効果は期待できそうだ。 このたび提出された維新案は、新たに「武力攻撃危機事態」という事象を設けることで、日本を守るために活動する米軍が攻撃を受け、更に日本が武力攻撃を受ける可能性が高いと考えられる時は、自衛隊による武力の使用を可能にするというもの。 現行法では、日本が実際に武力攻撃を受けた場合にのみ、必要最小限の武力行使が可能とされており、武力攻撃を受ける可能性が高い「武力攻撃切迫事態」では、防衛出動はできるものの実際の武力行使は認められていなかった。日本はあくまで自国が武力攻撃を受けた場合にのみ個別的防衛権に基づいて最小限の武力が行使できるというのが、現行法の許容範囲であり、現在の憲法解釈となっている。・・・・ 維新案が浮き彫りにする政府の「存立危機事態」の背後にある真意とは何かを、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

http://www.nicovideo.jp/watch/so26684284