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狂乱の場 - 歌劇『ランメルモールのルチア』:リリー・ポンス
映画『Hitting a New High(ラヂオの歌姫)』(37年RKO制作)より。つべ転。残念画質。
途中の「Ardon gli incensi…」からです。ポンスのルチアの狂乱の場の何が凄いかってゆーと、恐らく古今東西唯一と言われる、"オリジナルの調性で、このアリアの名物のカヴァティーナ部分のフルートとの掛け合いのカデンツァを歌った歌手"である事なんですよね。カデンツァありが一般的なイタリア語版は、dからcに、またFからEsに全音下げられているし、フランス語版は音を下げて歌う事は一般的でない代わりにカデンツァもありません。ポンスの高音の鳴りと、アジリタの技巧の確かさが、これを可能にしたと言えます。全曲聴きたいならメトライヴの録音でどうぞ。 これ系マイリストmylist/32913777
『Je Suis Titania』 - 歌劇 『ミニョン』(トマ):リリー・ポンス
映画『Hitting a New High(ラヂオの歌姫)』(37年RKO制作)より。つべ転。残念画質。
まんまと騙されたままのオペラの興行主は、"アフリカの小鳥娘"として、ポンス扮するスゼットをラジオで大々的に売り出します。ラジオなのにあんな羽毛ボーボーの派手なカッコする必要はないとは思うのですが、ツッコむんは野暮っすねw歌はタイトルロールであるミニョンのライバル役の女優フィリーヌのアリアですが、この歌の方がミニョンの歌よりも派手で目立つんですよねえ…。 これ系マイリストmylist/32913777
『Le Rossignol et la Rose(鶯と薔薇)』(サン=サーンス):リリー・ポンス
映画『Hitting a New High(ラヂオの歌姫)』(37年RKO制作)より。つべ転。残念画質。
戦前メトのコロラトゥーラ・ソプラノの第一人者、リリー・ポンス(1898~1976)の映画主演3作目ですが、今度は自分を売り込む為にわざわざアフリカの原住民になりすますパリのカフェの歌手の役。猛獣狩りで一旗揚げようと志すオペラハウスの経営者(アステア&ロジャースもののいつもの脇役のおじさん、エドワード・エヴァレット・ホートン!)の前で、小鳥が囀るように歌って見せます。"フランスのナイチンゲール"の二つ名の通り、小鳥さながらの美しいコロラトゥーラです。 これ系マイリストmylist/32913777
『今の歌声は』 - 歌劇 『セヴィリアの理髪師』:リリー・ポンス
映画『That Girl from Paris(世界の歌姫)』(36年RKO制作)より。昔の拾い物。残念画質。
映画も大詰め、妨害しようと手薬煉引いてジャック・オーキー達の待つメトの舞台で歌うは、ロッシーニの言わずと知れた名オペラのアリア。今ではすっかりメゾが歌うのがメジャーに戻ったこのアリアも、戦前は専らコロラトゥーラ・ソプラノの持ち曲でした。羽のように細く軽い声でカデンツァ増し増しで歌われる様はかなりの別世界振りですが、個人的には寧ろ、セリアのような大仰さ・重厚さまで感じられる昨今の歌われ方よりは、戦前のコロラトゥーラ・ソプラノのポンスが歌うこっちの方が"ベタなブッファの軽妙さ"を味わえて好きかな。カラス(sm1147814)やバルトリ(sm14740966)のと聴き比べも一興かと。 これ系マイリストmylist/32913777
『美しく青きドナウ』(J.シュトラウス2世):リリー・ポンス
映画『That Girl from Paris(世界の歌姫)』(36年RKO制作)より。昔の拾い物。残念画質。
芸達者なジャック・オーキー(『独裁者』でチャップリンと競演)率いるジャズバンドと避暑地のレストランで対決。シュトラウス2世の代名詞的ワルツをソプラノ独唱用にアレンジしたものに、更に途中からジャズアレンジが加わりますが、ここでもポンスはどこまでも歪みねえコロラトゥーラを聴かせてくれてます。ご立派! これ系マイリストmylist/32913777
『タランテラ』(パノフカ):リリー・ポンス
映画『That Girl from Paris(世界の歌姫)』(36年RKO制作)より。昔の拾い物。残念画質。
戦前メトのコロラトゥーラ・ソプラノの第一人者、リリー・ポンス(1898~1976)は、全盛期に3本のハリウッド映画に主演してますが、これはその2本目。結婚式当日に相手を捨てて式場から逃げるオペラのプリマドンナ役で、颯爽とオープンカーに乗って調子よくアジリタの超絶技巧を聴かせてくれます。作曲者のハインリッヒ・パノフカ(1807~87)は、声楽教本等の分野で有名な音楽家のようですが、歌詞がないトコみるとこれも教本の中の一曲なんでしょうか? これ系マイリストmylist/32913777
『鐘の歌』 - 歌劇『ラクメ』(ドリーブ):リリー・ポンス
映画『I Dream Too Much(恋の歌)』(35年RKO制作)より。
『ラクメ』の中の最大の聴かせどころ、コロラトゥーラ・ソプラノの代表的なアリアの一つです。戦前メトのこの分野の第一人者、リリー・ポンス(1898~1976)が歌ってます。彼女の歌はマリア・カラス以後のそれらの歌のあり方に比べ、技巧誇示一辺倒の"白い声"として捨て置かれた時期もありましたが、どこまでも軽快で先鋭的なアジリタの技巧と、細いながらも良く鳴り響く高音は非常にスリリングで、ここでもめくるめく超高速のトリルを、歌い飛ばしももろともせず快刀乱麻の勢いで聴かせてくれます。映画ながらも当時の舞台の様子が再現されてて興味深いです。桟敷で観てるのはデビューしたてのヘンリー・フォンダです。 これ系マイリストmylist/32913777