ツェルニー:ピアノ協奏曲 イ短調 作品214

ツェルニー:ピアノ協奏曲 イ短調 作品214

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=w5g5ZMFIjZY )。カール・ツェルニーといえば、通常は膨大な数のピアノ練習曲を残したピアノ教師として知られていますが、同時に彼はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」のウィーン初演を手掛けたほどの優れたピアニストであり、そして生涯に1,000曲以上の作品を作曲した作曲家でした。そんなツェルニーの作品にはピアノ協奏曲が3曲含まれており、その中で最も有名なのが3番目のピアノ協奏曲 イ短調 作品214です。内容的にはフンメルの作品と同じく、古典派と初期ロマン派の中間に位置しており、練習曲を量産した彼らしくピアニストには高度な技巧が必要とされ、ベートーヴェンの「皇帝」に匹敵する長大な作品です。ただ、ピアノ独奏部分は極めて華麗に作られて印象深い一方で、管弦楽部分は当時の多くの協奏曲に準じた良くも悪くも標準的な出来栄えであり、全体としてはそれほど突出した印象に欠ける作品となっているのが惜しいところです。これについては、ツェルニーの生きた時代はピアノが格段に進歩を遂げた時期であり、彼の主な関心が日進月歩で向上するピアノの性能にあわせてより良く演奏させるための技巧の開発・教育にあった(そのぶん管弦楽技法への関心が比較的薄かった)からではないかと思われます。ローズマリー・タック(ピアノ)リチャード・ボニング指揮イギリス室内管弦楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm35325698