オーヴェルニュのブーレ 作品29

オーヴェルニュのブーレ 作品29

[ニコニコ出張版]シャルル=ヴァランタン・アルカン(1813 - 1888)は、フランスの作曲家、ピアニスト。アルカンのピアノ曲には、彼自身の類いまれな才能を反映した超絶技巧がしばしば見られ、極端な速度、大きな跳躍、急激な同音連打、複雑な対位法的処理などが要求される。しかし、より繊細な作品群を聴くとわかるように、彼の音楽の本質は超絶技巧の枠にとどまらないものだ。「オーヴェルニュのブーレ 作品29」(1846)は、ほとんど演奏されることのない作品だが、アルカンがロマン派の作曲家であったことを忘れてしまいそうになるほどの独創性に満ちている。オーヴェルニュというのはフランス中南部にかつて存在した地域圏のこと。途中で差しはさまれるバグパイプの響きは、ベートーヴェンの「バガテル 作品126」に影響を受けたという指摘もある。指をすべらせる奏法によって轟く不協和音、舞いおどる人々の狂騒。開いた口が塞がらない驚愕のフィナーレを、ぜひ自身の耳で味わっていただきたい。[注]この作品は通常の「Vivace(活発に)」のテンポよりもさらに速いテンポを想定しているように思われる。楽譜は2拍子で書かれており、アルカンの作品は2倍の音価で記譜されることが多いためだ。例として、ピアニストの金澤攝氏はこの速度で録音している(演奏時間5分50秒)。 https://youtu.be/T5JpUpojiWM

http://www.nicovideo.jp/watch/sm37997185