ユスティン・ハインリヒ・クネヒト:自然の音楽による描写、あるいは大交響曲(田園交響曲)

ユスティン・ハインリヒ・クネヒト:自然の音楽による描写、あるいは大交響曲(田園交響曲)

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=a5SD_UXyB4M )。ユスティン・ハインリヒ・クネヒト(1752 - 1817)はドイツの作曲家・オルガン奏者で、ハイドンより20歳年下、モーツァルトより4歳年上にあたります。彼は作曲や演奏活動の他、ギムナジウムで音楽理論を教える教育家としても精力的に活躍しました。しかし、クネヒトは劇場音楽や宗教音楽など、幅広い分野にわたって作品を遺しながら、それらは長い間忘れられてきました。その作品の中で最近になって注目されるようになったのが、1783年に作曲された「自然の音楽による描写、あるいは大交響曲(Le portrait musical de la nature, ou Grande sinfonie)」です。この作品は5楽章構成の交響曲で、「田園交響曲(Pastoralsymphonie)」の副題が示す通り、田舎の風景や嵐の襲来、そして嵐が去った後の自然の情景を音楽で描写した標題音楽です。当時はこのような自然の情景を表す標題音楽が流行しており、クネヒトの作品もそういった流行に沿うものでした。それから四半世紀の後、ベートーヴェンは同様の題材で交響曲第6番「田園」を作曲しましたが、彼は作曲研究の一環としてクネヒトが著した音楽理論書を持っていたといわれており、5楽章構成の交響曲という音楽様式や田舎での嵐の襲来という筋立てなどの共通する要素があることから、ベートーヴェンがクネヒトの「自然の音楽による描写」を事前に知っており、それを参考にして「田園」交響曲を完成させたのはほぼ確実と見られています。このような研究結果により、クネヒトの作品はベートーヴェンの「田園」に先行する「田園交響曲」として、再評価されるようになりました。フリーダー・ベルニウス指揮シュトゥットガルト・ホーフカペレ

http://www.nicovideo.jp/watch/sm39415186