ヴィクター・ハーバート:チェロ協奏曲第2番 ホ短調 作品30

ヴィクター・ハーバート:チェロ協奏曲第2番 ホ短調 作品30

Youtubeからの転載です( https://www.youtube.com/watch?v=v-CZfQF1Igo&t=27s )。アイルランドのダブリン出身で後にアメリカに帰化した作曲家ヴィクター・ハーバート(1859 – 1924)は、ヨーロッパ音楽界からオペレッタの音楽様式を導入して多数の作品を作曲し、後のミュージカルの祖先というべきライト・オペラの様式を確立した作曲家の1人でした。また、作曲家の作品に対する権利保護のための組織である米国作曲家作詞家出版者協会(ASCAP)を設立したことで知られています。このような事情から、ハーバートは作曲家の権利保護のための活動が高く評価される一方、作品についてはオペレッタ(ミュージカル)を除くと無視される傾向が長く続きました。ハーバートは若いころはチェロ奏者として名が知られており、渡米したときにはメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席チェロ奏者に就任するほどの優れた技量を持っていました。そんな彼は自分が演奏するためにチェロ協奏曲を2曲作曲しており、このうち1894年に作曲・初演された第2番 ホ短調 作品30は高く評価されました。この曲はフランツ・リストの協奏曲の影響を受けて全3楽章を途切れることなく演奏するようになっており、チェロの独奏部が極めて魅力的で、ハーバートの器楽作品の中でも最高傑作と評価されています。当時、ニューヨーク・ナショナル音楽院院長に就任していたドヴォルザークはハーバートの友人で、このチェロ協奏曲の初演にも立ち会い、チェロが独奏楽器として優れていることに気が付いて、翌年にチェロ協奏曲 ロ短調 作品104を作曲するきっかけになったといわれています。実際、本作の第2楽章主題とドヴォルザークのチェロ協奏曲の第1楽章主題には類似性があり、オーケストラ編成に3本のトロンボーン、チューバ、トライアングルが加えられている点も共通しています。リン・ハレル(チェロ)ネヴィル・マリナー指揮アカデミー室内管弦楽団

http://www.nicovideo.jp/watch/sm39483000